伊藤恵里奈
2015年12月2日16時18分
街中にも、テレビや雑誌にも、「S・W」がいっぱい――。SF映画の金字塔の最新作「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」は18日の公開前からすでにアツい。1978年の第1作日本公開時の熱狂を知らない若者や宇宙戦争に無関心な女性も取り込み、作品のフォース(力)にあやかろうとしている。
■清水寺で「覚醒」の書
11月30日朝、世界遺産・清水寺(京都市東山区)の本堂舞台。おなじみのテーマ曲にあわせて、国宝「風神雷神図屛風(びょうぶ)」を模したS・W版屛風がお目見えした。風神は新ヒロインのレイ、雷神は新悪役のカイロ・レンだ。森清範貫主による「覚醒」の書も披露された。
2月のさっぽろ雪まつりに始まり、夏の青森ねぶた祭、秋には鳥取砂丘の巨大砂像など、各地にS・Wのキャラクターが登場した。清水寺のイベントは、ほぼ1年かけた宣伝キャンペーンの集大成だ。
全日空、積水化学、そごう・西武など、国内のタイアップ企業は9社。特別仕様の電車や飛行機、CMなどで次々と話題を作った。キャラクター商品のライセンス契約を結んだ企業も多数。洋菓子の銀座コージーコーナーでは、21日まで限定スイーツを販売している。
過去6作(特別編含む)はいずれもメガヒット。多彩なキャラクター商品など新たな映画ビジネスを開拓した作品でもあり、商機とみる企業は多い。
■女性・若者にもアピール
今作から配給が20世紀フォックスからウォルト・ディズニー・スタジオに移った。ファミリー層に強いディズニーは「家族の愛と喪失の物語」とうたい、従来の男性中心のSFファンよりも幅広い層を狙う。
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