共生:フンが餌!?…ハゼがエビの「食事係」
毎日新聞 2015年11月25日 10時43分(最終更新 11月25日 11時24分)
互いに助け合って生活する「共生関係」にあることが知られるエビとハゼについて、ハゼがエビの「食事係」をしているとの研究結果を、幸田正典・大阪市立大教授(動物機能生態学)のグループが、日本動物行動学会で発表した。エビの巣穴の中でフンをして、エビがそれを餌にしているという。
ハゼの仲間は、海底に巣穴を掘るテッポウエビ類と共生し、「見張り係」として周囲に危険がないかどうかを巣の中のエビに知らせる一方、外敵が来たら巣穴を隠れ家に使っている。
幸田教授らは、ハゼが外でほとんどフンをしないことに気付き、巣穴でエビに与えていると推測。(1)エビとハゼを飼いハゼにだけ餌を与える(2)エビだけ飼いハゼのフンを与える(3)エビだけ飼いフンを与えない−−という3種類の水槽で2週間観察した結果、(3)だけエビの体重が減ったため、ハゼのフンが餌になっているとの仮説が裏付けられたという。
研究グループの山内宏子さんは「ハゼが巣穴で排せつするフンがエビの体重を維持しており、共生での重要な役割になっていると考えられる」と話す。【清水健二】