【記者手帳】ケンブリッジの学生も解けない韓国の大学入試英語

【記者手帳】ケンブリッジの学生も解けない韓国の大学入試英語

 大学修学能力試験(修能=日本のセンター試験に相当)の英語のリスニングが行われる今日午後1時5分から35分間、全国の空港では航空機の離着陸が禁止され、試験会場周辺では自動車のクラクション使用も自制が求められている。これらは言うまでもなく、試験を受ける受験生に配慮するためだ。修能当日は全ての国民の日常生活が影響を受けるが、海外メディアもこの様子を非常に興味深く報じている。例えば英国のデーリーテレグラフは韓国におけるこの日の様子について「65万人の受験生のために、韓国社会全体が口を閉じ、静かな環境を整えようとしている」と紹介したことがある。

 つい先日、英国の名門大学に通う学生がユーチューブ(動画投稿サイト)にアップした動画が話題になっている。この英国人学生は韓国の修能に出た英語の問題が解けずに悩んでいるという。

 ケンブリッジ大学で言語学を専攻するこの学生は、修能の英語問題について「日常生活でまず使われることのない単語や表現が出題されている」「自分には到底理解できない」などと語った。この学生はさらに「私が使う英語とは違う英語だ。外国語のようだ」とも話した。この動画は、韓国の英語教育がいかに日常における実際の英語と懸け離れているかを物語っている。

 ところが韓国の受験生たちはこの種の問題をさほど難しいとは考えていない。昨年の修能英語で満点を取った受験生は1万9654人、全体の3.37%に達した。もちろん受験生たちが英語の勉強に熱心に取り組んだからともいえるが、実は「修能EBS連携政策」について知っていれば、誰でもその単純なからくりが理解できるはずだ。

 2010年から施行されている修能EBS(教育放送)連携政策は、最初は一種の私教育対策として始められた。修能の70%をEBS教材から出題すれば、生徒たちは塾などに通わなくなると考えられたのだ。この政策によって私教育をどれだけ減らせたかは分からないが、英語教育に関しては一つのおかしな現象が起こった。EBS教材の英文を韓国語に訳したテキストが生徒たちの間で一気に広がり、中には「英語の勉強はこのテキストの暗記になった」と口にする生徒たちも出始めたのだ。しかし後に「これでは英語の勉強にならない」という指摘が相次いだことを受け、政府は「今年からEBS教材の文章はそのまま出題しない」と発表した。

社会政策部=アン・ソクペ次長
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