「1」という数字が並ぶ11月11日は、中国のインターネット通販業界で恒例のセールが行われる「光棍節」で、韓国企業の多くがその恩恵にあずかった。中国の電子商取引(EC)大手、アリババ(阿里巴巴)グループが運営する海外商品の中国向けインターネット通販「天猫国際(Tモールグローバル)」などに出店したり、外国人専用ウェブサイトを設けたりして、中国の消費者による直接購入を狙ったマーケティングを展開した結果だ。業界には「韓国が光棍節で最も恩恵を受けた」という見方もある。
天猫国際で注文があった韓国製品を中国に独占配送する物流企業ICBは、光棍節シーズンの商品配送のために貨物機3機をチャーターした。天猫国際に出店した韓国企業64社による1日当たり平均配送量は通常3000-4000件だが、光棍節シーズンを控え今月初めからの累計配送量が50万件に達したからだ。ICBのキム・ドンチョル副会長は「普段利用してきた旅客機の貨物室では足りず、貨物機をチャーターした」と説明した。
今年天猫国際に入店し、初めて光棍節セールを展開したEマートが11日に上げた売り上げは27億ウォン(約2億8700万円)を超えた。韓国国内の店舗の平均売上高(2億5000万ウォン)と比較すると、10店舗分の売り上げに相当する。「韓方」シャンプー、ハニーバター味アーモンド、果汁エキス抽出機、紅参キャンディーなどが人気を集めた。
イーランドグループも同日、300億ウォン(約31億9000万円)を超える売り上げを達成した。イーランド中国法人のチェ・ジョンヤン代表は「ユニクロのような世界的ブランドと比べても、光棍節の売り上げが全体の3位圏内に入る。今回のセールに向け、物流担当者を10倍以上増やした」と話した。
中国で最も人気を集める化粧品ブランドは品切れ状態になった。アモーレパシフィックのブランドのうち、「イニスフリー」はセール開始から30分で18億ウォン(約1億9000万円)を売り上げた。昨年の光棍節の売上高をわずか30分で達成した計算だ。「韓国招待チケット」などの賞品を掲げた「マモンド」は午前中で昨年の売り上げを突破した。「エチュードハウス」のマスクシート、アイブローなどは販売開始とほぼ同時に売り切れた。LG生活健康の売上高が前年の8倍に達した。
今月3日から11日まで商品配送料を無料にする「ダブル・イレブン・デー」企画を実施したロッテドットコムは、11日午前だけで11億ウォン(約1億1700万円)を売り上げた。前年の同じ時間帯の20倍に迫る数字だ。現代Hモール「グローバル館」を運営する現代ホームショッピングのハン・グァンヨン常務は「30代の中国の主婦が好むおむつなど韓国製乳児用品、MCM、ルイキャトルズなどのブランドバッグ、女性衣料を中心に販売が伸びた」と説明した。