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「夫婦別姓認めず」は違憲か 最高裁で弁論11月4日 16時47分
夫婦別姓を認めない民法の規定が憲法に違反するかどうかが争われた裁判で、最高裁判所の大法廷で弁論が開かれました。原告側が「ほとんどの夫婦が夫の名字で、男女差別だ」と訴えたのに対して、被告の国側は「どちらかの名字を選ぶという規定で、差別ではない」と反論しました。
夫婦の名字を同じにするという明治時代からの民法の規定について、東京などの男女5人は、別々の名字を選べないのは婚姻の自由などを保障した憲法に違反するとして、国に賠償を求める訴えを起こしています。4日、最高裁判所の大法廷で15人の裁判官全員が参加して弁論が開かれ、双方が意見を述べました。
原告側は「夫婦がどちらの名字を選んだか調べた結果によると、96%の夫婦が夫の名字を選んでいて、男女差別を生み出している。改正の動きを見せない国会には期待できず、最高裁判所が救済してほしい」と訴えました。一方、被告の国側は「原告が主張している『名字の変更を強制されない権利』は憲法で国民に保障された権利だということはできない。民法の規定は夫婦どちらかの名字を選ぶというもので、差別ではない」と反論しました。
最高裁は、早ければ年内にも判決を言い渡す見通しで、家族の在り方に関わる明治時代からの規定について、どのような判断を示すか注目されます。
原告側は「夫婦がどちらの名字を選んだか調べた結果によると、96%の夫婦が夫の名字を選んでいて、男女差別を生み出している。改正の動きを見せない国会には期待できず、最高裁判所が救済してほしい」と訴えました。一方、被告の国側は「原告が主張している『名字の変更を強制されない権利』は憲法で国民に保障された権利だということはできない。民法の規定は夫婦どちらかの名字を選ぶというもので、差別ではない」と反論しました。
最高裁は、早ければ年内にも判決を言い渡す見通しで、家族の在り方に関わる明治時代からの規定について、どのような判断を示すか注目されます。
旧姓使用の広がりも論点に
夫婦別姓を巡る議論では旧姓を使える職場が増え、別姓の制度は必要はないという意見がある一方、旧姓の使用では解決しないという意見があり論点の1つとなっています。
夫婦別姓の議論が盛んになってきた背景には女性の社会進出が進み、名字が変わることで仕事上のキャリアが途切れるという問題があります。こうしたことから職場で旧姓の使用を認める動きが広がっていて、財団法人「労務行政研究所」によりますと、おととし、一部上場企業などを対象に行ったアンケート調査では、200社余りから回答が寄せられ、仕事上での旧姓の使用を認めている企業の割合は64.5%と12年前の30.6%に比べ2倍余りに増えました。このため、法律を改正してまで夫婦別姓の制度を導入する必要はないという意見があります。
一方で、夫婦別姓の導入を求める人たちは、旧姓の使用が広がっているものの今もさまざまな不都合があると訴えています。例えば身分証として使われる運転免許証や住民基本台帳カード、それに健康保険証は戸籍名しか認められません。このため身分証の提示が必要な銀行の口座の名義は新しい名字となり、仕事で旧姓を使用していると振り込みなどを巡ってトラブルになる場合もあるとしています。また、こうした不都合を避けるため籍を入れない「事実婚」を選択する人たちもいますが、法律上の夫婦ではないため、所得税や相続税の控除が適用されないほか、パートナーの生命保険の受取人として認められないケースもあるということです。夫婦別姓の導入を巡っては、こうした問題をどう考えるかも論点の1つとなっています。
夫婦別姓の議論が盛んになってきた背景には女性の社会進出が進み、名字が変わることで仕事上のキャリアが途切れるという問題があります。こうしたことから職場で旧姓の使用を認める動きが広がっていて、財団法人「労務行政研究所」によりますと、おととし、一部上場企業などを対象に行ったアンケート調査では、200社余りから回答が寄せられ、仕事上での旧姓の使用を認めている企業の割合は64.5%と12年前の30.6%に比べ2倍余りに増えました。このため、法律を改正してまで夫婦別姓の制度を導入する必要はないという意見があります。
一方で、夫婦別姓の導入を求める人たちは、旧姓の使用が広がっているものの今もさまざまな不都合があると訴えています。例えば身分証として使われる運転免許証や住民基本台帳カード、それに健康保険証は戸籍名しか認められません。このため身分証の提示が必要な銀行の口座の名義は新しい名字となり、仕事で旧姓を使用していると振り込みなどを巡ってトラブルになる場合もあるとしています。また、こうした不都合を避けるため籍を入れない「事実婚」を選択する人たちもいますが、法律上の夫婦ではないため、所得税や相続税の控除が適用されないほか、パートナーの生命保険の受取人として認められないケースもあるということです。夫婦別姓の導入を巡っては、こうした問題をどう考えるかも論点の1つとなっています。
世論調査では賛否分かれる
内閣府の世論調査では、夫婦別姓を選べる制度の導入について賛否が分かれていて、年代によって大きく異なっています。
内閣府の世論調査では、夫婦別姓を認めない今の法律について、「改めてもかまわない」、「改める必要はない」、「旧姓を通称として使えるよう改めるのはかまわない」の3つの選択肢で質問しています。
平成8年の調査では「改めてもかまわない」が「改める必要はない」を下回っていましたが、平成13年に逆転し、直近の平成24年の調査では「改めてもかまわない」が35.5%、「改める必要はない」が36.4%とほぼ同じ割合となっています。
一方、「旧姓を通称として使えるよう改めるのはかまわない」という回答は、22%台から25%台と毎回、ほぼ同じ割合です。賛否の割合を年代ごとにみると大きく異なっていて、平成24年の調査では、20代から50代までは「改めてもかまわない」が40%台、「改める必要はない」が20%台ですが60代で逆転し、70代以上では「改めてもかまわない」が20.1%、「改める必要はない」が58.3%と、年代が上がるにつれ否定的な回答が多くなっています。
また、男女別でみると、平成24年の調査では男性は「改めてもかまわない」が35.5%、「改める必要はない」が39.7%と否定的な回答がやや多く、女性は「改めてもかまわない」が35.5%、「改める必要はない」が33.7%となっています。
内閣府の世論調査では、夫婦別姓を認めない今の法律について、「改めてもかまわない」、「改める必要はない」、「旧姓を通称として使えるよう改めるのはかまわない」の3つの選択肢で質問しています。
平成8年の調査では「改めてもかまわない」が「改める必要はない」を下回っていましたが、平成13年に逆転し、直近の平成24年の調査では「改めてもかまわない」が35.5%、「改める必要はない」が36.4%とほぼ同じ割合となっています。
一方、「旧姓を通称として使えるよう改めるのはかまわない」という回答は、22%台から25%台と毎回、ほぼ同じ割合です。賛否の割合を年代ごとにみると大きく異なっていて、平成24年の調査では、20代から50代までは「改めてもかまわない」が40%台、「改める必要はない」が20%台ですが60代で逆転し、70代以上では「改めてもかまわない」が20.1%、「改める必要はない」が58.3%と、年代が上がるにつれ否定的な回答が多くなっています。
また、男女別でみると、平成24年の調査では男性は「改めてもかまわない」が35.5%、「改める必要はない」が39.7%と否定的な回答がやや多く、女性は「改めてもかまわない」が35.5%、「改める必要はない」が33.7%となっています。