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再婚禁止期間巡り 最高裁で弁論
11月4日 12時41分

再婚禁止期間巡り 最高裁で弁論
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離婚した男女のうち、女性にだけ6か月間再婚を禁止する民法の規定が憲法に違反するかどうかが争われている裁判で、最高裁判所の大法廷で弁論が開かれました。原告側が「女性だけ婚姻の自由が制限されるのは差別だ」と主張したのに対して、被告の国側は「父親が誰かを巡る争いを防ぐには規定が必要だ」と反論しました。
民法には、子どもの父親が誰なのか争いになるのを防ぐため、明治時代から「女性は離婚後、6か月を経過しなければ再婚できない」とする規定があり、岡山県の女性は、「憲法に違反する」として国に賠償を求める裁判を起こしています。
4日午前、最高裁判所の大法廷で15人の裁判官全員が参加して弁論が開かれ、双方が意見を述べました。
原告の女性の代理人は、「女性にだけ再婚禁止期間を設け、婚姻の自由を制限するのは差別だ。禁止期間を設けなくてもDNA鑑定の技術が発達したことで父親が誰かを巡る争いを防ぐことができる」と主張しました。
一方、被告の国側は、「前の夫の子を妊娠したと気付かずに再婚して出産すると、父親を巡る争いが起きやすくなる。DNA鑑定は多くの国民が利用しているわけではなく、再婚禁止期間の合理性は失われていない」と反論しました。
判決は早ければ年内にも言い渡される見通しで、明治時代から続く規定について、最高裁判所がどのような判断を示すのか注目されます。
最高裁では4日午後から、夫婦別姓を認めない民法の別の規定が憲法に違反するかどうかが争われている裁判の弁論も開かれます。

原告女性 手記で思いつづる

原告の女性は、訴えを起こした思いをつづった手記をNHKに寄せています。手記によりますと、女性は前の夫と結婚した直後からDV=ドメスティックバイオレンスを受け続けて実家に逃れ、2年後に離婚が成立しましたが、民法の規定のため、今の夫とすぐに再婚できず、不安定な立場に置かれたということです。
手記には、「やっとつかんだ幸せを、結婚という形にしたいと強く願っていました。6か月の期間再婚を禁止されていることはとても大きな悲しみでした。どんなにつらい思いをして過ごしたかは、ことばにできないくらいです」とつづられています。
女性は、「夫婦関係が多様化し、家族観、夫婦観も多様化している現在です。私のようなつらい思いをする人が出ないような社会になることを心から願っています」と訴えています。

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