山根由起子
2015年11月2日09時59分
歌舞伎や文楽などの上演中、イヤホン付きの無線受信器で、当意即妙の解説を流す「イヤホンガイド」が11月4日で40周年を迎える。1975年の東京・歌舞伎座での初の利用者は、わずか7人。今や伝統芸能などで年間のべ約100万人に利用されている。
「ドドン、ドンドンという大太鼓の音は深山幽谷の梢(こずえ)を吹き渡る風の音を表しています」。10月の歌舞伎座では、こんな解説が流れた。配役や物語の背景や小道具、衣裳(いしょう)、独特の約束事などが聞ける。
事前収録した解説を微弱な電波にのせ、手のひらサイズの受信器でキャッチ。進行に合わせてオペレーターが、せりふにかぶらないようにタイミングよく流す。現在、全国14劇場で常備。外国語版も生まれ、海外10余カ国で使われた。
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