日本マイクロソフト(MS)は、Windows 10 Mobileの国内展開を発表しました。VAIOなど6社が同OSを搭載したデバイスに参入との内容。平野拓也社長はブリーフィング後の囲み取材に応じ、Lumiaシリーズの国内発売などに関する記者の質問に答えました。
(囲みに応じる日本マイクロソフト 平野拓也代表執行役社長)
Q:Windows 10 Mobileスマートフォンの1年間の国内出荷台数のイメージは?
A:まだ数をお話できる段階ではない。ただ、どんどん増えていくと信じている。
Q:自社のLumiaの国内発売は考えているのか。
A:当面の間はサードパーティーに注力。Lumiaについては今回新たなアナウンスメントをできる状況ではない。出すとも出さないとも決まっていない。
Q:日本のユーザーはLumiaは期待してもいいのか
A:先ほどと同じ答えになります
Q:Windows 10 Mobileのメーカーが6社になった。それをどう評価しているか。わりと新興メーカーや小さいメーカーが多いが。
A:どう評価するかいろいろあるが、急に6社が全然動きがなかったところに出てきた。ユニークなブランドをとかいう話もあるが、VAIOやAcerさん、他のところも含めて出てきたというのは、非常に楽しみ。ただ、背景としてあるのは、お客様のニーズが強くなっている。今回は6社ですけど、壇上でも少しお話しましたが、今後、他のデバイスメーカーからも出てくる。
Q:似たような機種が並ぶ懸念がある。ラインナップのコントロールはするのか
A:我々がメーカーさんにデバイスをこうしなさいと指図することは一切ない。逆に、お客様にこういうニーズがある、こういったホワイトスペースがあるなどといったガイダンスは提供できる。差別化とユニークなところが出せるようにしたい。
Q:法人向けか、個人向けか。
A:個人と法人という垣根は作っていない。個人で購入される方も多く出てくると思う。法人のほうでも、セキュアなスマートフォンがほしいという需要があり、わかりやすい選択かなと。
Q:Windows 10 Mobileのラインナップをみると、キャリアへの納入という印象はないが。
A:キャリアとの対話は活発にしているが、その話は今日はできない。しかるべきタイミングでアナウンスがあると思う。
Q:Lumiaは当面無さそうな感じだが、キャリアがLumiaをくれとオーダーしてきた場合は?
A:Lumiaが全く無いという話ではない。いろいろなオプションを持っている。ただ、パートナー様のエコシステムは大切に思っている。我々がハードウェアを作るっていうのは、新しい製品カテゴリを作るとか、そのニーズが満たされないところに注力してやる話ですから。あやふやになって申し訳ない。
OEMへの配慮鮮明
MSはこのように、Lumiaの国内発売についてあやふやな回答に終始しました。なお、今回のブリーフィングにはMSのOEM担当幹部 ニック・パーカー氏(写真上)も登壇。MSは、米国では自前のSurface Pro 4 / BookをOEM製品より先に発表していますが、日本では自前のSurfaceに優先してOEM製品を発表。『パートナー(OEM)のエコシステムは大切に思っている』(平野社長)とのコメントの通り、少なくとも外形上はOEMを最大限尊重する姿勢を示したかたちです。
(Lumia 950XL:Snapdragon 810、5.7インチWQHD 2560 x 1440 有機EL搭載)
Windows 10 Mobileに参入するOEMにとって、MSが自前で手掛けるLumiaはライバルも同然。OEM製品がメインの今回のブリーフィングでは、Lumiaには言及できない事情があったのかもしれません。社長の回答を聞く限り、Lumiaの国内発売は当面無さそうにも感じますが、今後の展開に注目していきたいところです。