プレゼントをする時に、冠婚葬祭や火事見舞いといった決まった機会は別にして、基本的に現金は失礼だというのは常識ですよね。
では、何故失礼なのでしょうか?
あって困るものでなし。相手の好きなものを買ってもらえるし、現金がベストじゃないの?という意見もあるはず。
「生々しいから」
「施しみたいだから」
目上の人には、それもあるでしょうね。
ですが、私の考える正解はこうです。
「相手の事を考えて、動いた事実の裏付けが無いから」
現金以外のものを贈る時には、相手の喜ぶものは何か、必死で考えますよね。
相手の為に頭と時間を費やし、贈り物を通じて、自分の気持ちを相手に伝えようと苦心するはず。
これが相手に対する、敬意や感謝の現れだと思うんですよ。
「大事に思っているあなたの為に、ない知恵を絞って一生懸命に選んだ品です。どうか受け取ってください」
そう言えるのが、贈り物のあるべき姿ではないかと。
現金には、この誠意がこもりません。
「お金は尊いもの」
「額に汗して働いて得た、貴重な対価」
というのは、位相の違う話です。
お店に足を運んで何件もはしごをして、品物を選ぶという誠意。
「もしかしたら、相手に気に入ってもらえないかも」という、リスクを取る覚悟が現金には無いんですね。
Amazonの「欲しいものリスト」の公開機能とか、ものすごく合理的に見えますが、いかにもアメリカ人的な発想だと思います。それって、
「今度のプレゼント、何が欲しい?」
と事前に聞くのと変わらないですよね。
出産祝いをグループで贈る場合とか、品物が重複しやすい場合はいいと思うんですよ。でも、心のこもったプレゼントって、そこからは決して生まれないと思います。
翻って、社会人のビジネス文書を考えてみましょう。
一番分かりやすいのは、お得意先へのメール文書でしょうか。
そこに誤字脱字があると言う事は、書き上げた後に、しっかり読み直しをしていないという事。
読み直しをしないという事は、相手を軽んじているという事でしょう?
そう取られても、仕方がない訳です。
「俺はその程度の扱いかよ」と、お得意先に言われても反論できない。
それを失礼と言わずに、何と言いましょう?
「社内向けの連絡通なんかは、多少間違ってても良いから、早く出せ」
などと平気で言う管理職がいますが、冗談じゃありません。
そんな上司の言う事を聞いていたら、えらい目にあいますよ。
◯日頃から正しい日本語を書くように努める事。
◯「てにをは」まで、神経を行き届かせる事。
それがいざと言う時の、あなたの致命的なミスを防いでくれるのです。
慣れた仕事は、往々にして「舐めた仕事」につながり易い。
自分の書いた文章を、読んでくれる人への敬意と配慮を忘れてはいけません。
自分の仕事への誇りを賭けて、まず誤字脱字から気を付けるべきなのです。
以上 ふにやんま