2015-10-12 本日は「ミステリー大特集」(10月7日は「ミステリー記念日」)
格闘技漫画「喧嘩商売」「喧嘩稼業」シリーズも、駆け引きが、ミステリーや異能バトルの一種である件。(ミステリー特集3)
元はtwitterを再構成。
【ミステリー特集3】
上のエントリでは、ひぐちアサの野球漫画「おおきく振りかぶって」がミステリーとして読める…、と書いたのだが、さらに漫画界をぐるっと見渡して……いま、一番ミステリーなのは、どこかのお孫さんや、どこかの「頭脳は大人」な子なんかをさしおき、木多康昭の「喧嘩稼業」(&その前作シリーズ「喧嘩商売」)じゃないかな…と思う次第。
この作品の熱烈なファンで知られる@manhemo さんはどう思うかね。
もともと梶原一騎作品や白土三平の時代から(あるいは剣豪講談などから?)、アクション勝負の中でも「A…がB…となって、それに対してC…がD…だから勝ったのだ」という、ロジカルな”リクツ付け”は予想以上に多い。
そして時代は下って1990年代ーゼロ年代に、荒木飛呂彦、富樫義博の2大巨頭が、悪や卑怯のイメージもあった「心理戦」を、主人公側にも引き寄せ、さらにはルール縛りの多い…いわゆる「異能バトル」が隆盛を極めるようになり、複雑でロジカルな読み合いがバトルの中では重んじられるようになった。
そのある意味「ジャンプの系譜」を、放逐された木多康昭氏が一番色濃く受け継いでいるとは、皮肉なもんである(爆笑)。
ここまで肉弾戦というか、実際にアクションをやってると「異能バトル」の厳密な定義から外れるかもだけど、実際読んでみれば一種の異能バトルじゃん、やっぱり。
毒をめぐる駆け引きや、トーナメント出場をめぐる駆け引きなんてのは、やはり一種の「ミステリー」といっていいんじゃないかと思いますね。技の出しどころ、とか含め。
木多康昭氏はやっぱりこういうのが好きみたいで、「遊戯王」が設定上は異能バトルなのに、あまりに駆け引きや心理戦の要素が少ないのに業を煮やし、編集を通じて「カイジとか読んでみたら?」と伝言した、という話は、そのオチまで含め有名だよね。
これ。伝説のトークライブ。
http://dansyaku.cagami.net/dansyaku_kita_alk.shtml
…遊戯王はなんか良く分からない友情パワーとかで勝つのが許せなくって。担当が同じだったから、担当を通して『とりあえずカイジとか読んでくれねえかな』って伝えたら、一応読んだことは読んだみたいだけど遊戯王で船の中で星の取り合いとかし出して。(参考にするのは)そこじゃねえだろ!(後略)
「喧嘩商売」続編「喧嘩稼業」の、個別の心理戦描写などはここお勧め。↓
先ほどの「おおきく振りかぶって」紹介と結論は同じだが
「ミステリー好きだけど、格闘技ものは…」という人も、この作品は試しに読んでほしい。ただし、1巻は薦めない(笑)。いや、路線が大いに違うんだ…
※この巻だけでは絶対に判断してほしくない、と言わざるを得ない(笑)シリーズ1巻↓
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- 作者: 木多康昭
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『「喧嘩商売」シリーズを1巻から薦めにくい問題』は永遠に解決不能なので、ではどこからキリ良く読ませるか、特に「心理戦ミステリーとしてのすごさ」を紹介するには…。これは、在野の賢人の知恵を待つことにしよう。
(了)
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