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 シリアのアサド大統領は4日に放送されたイラン国営テレビとの会見で、ロシアとシリアが主導する過激派組織「イスラム国」(IS)掃討作戦が成功しなければ、「中東全体が崩壊する」と述べた。「IS対策」として先月末からシリア領内で空爆を続けるロシアの軍事介入をめぐり、アサド氏が見解を述べたのはこれが初めて。

 会見でアサド氏は、昨年9月からシリア領内で対IS空爆を続ける米国主導の有志連合は「1年経過しても成果を出せない。むしろ、テロを拡散させ、外国人戦闘員を増強させている」と批判。一方、ロシアとシリアは「テロとの戦い」で近隣のイラン、イラクと結束しているとし、「成果を出せる」とした。

 今回のロシアの空爆をめぐっては、米欧や反体制派は、標的はISではなく、アサド政権の脅威となっている他の反体制派だと指摘。人権団体も多くの市民が巻き添えになっていると警告している。(イスタンブール=春日芳晃)