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【栃木】橋桁流失 復旧見通したたず 大雨被害の東武宇都宮線 代行バス 苦行続く
記録的豪雨で被害を受けた県内の鉄道のうち、橋桁などが水路に流された東武宇都宮線の西川田−安塚間では復旧のめどが立っていない。両駅の間はバスによる代行輸送が続く。利用客は朝夕の混雑や乗り降りの不便さに我慢しながら、元通りの通勤、通学ができるようになる日を心待ちにしている。 (藤原哲也) 十七日夕、西川田駅(宇都宮市)のロータリーにはバス四台が待機していた。宇都宮方面からの電車が到着すると、乗客は足早にホームから改札を抜け、階段を昇り降りしてロータリーへ。あっという間に行列ができ、満員になったバスから次々と出発した。 宇都宮市内の専門学校に通う栃木市の下沢良さん(18)は「普段より一時間早く家を出る必要がある。乗り換えが大変でゆっくりできないけど、災害なので仕方ない」と疲れた表情。壬生町の二十代の女子学生も「朝方は、なかなかバスに乗れなくて苦労する。早く終わってほしい」と願った。 東武鉄道によると、代行バスは両駅で最大十台を用意。バスの時刻表はなく、少しでも影響を少なくするため、電車の到着に合わせて両駅間を行き来する。それでも朝の時間帯は渋滞が発生する日もあり、常にスムーズにはいかないのが現状だ。 流失した橋桁は、安塚駅(壬生町)の一キロ北にあり、長さ七メートル。高さ三・四メートルの土台二基もなくなり、復旧には大規模な工事が必要という。現場では、工事に使う重機が通れる道路を整備中で、本体工事はまだ着手していない。東武鉄道は工事が進んだ段階で、復旧時期を明らかにしたいとしている。 東武鉄道では、日光線と鬼怒川線が十八日に全面復旧したばかり。一部の臨時列車は運休するが、シルバーウイークに間に合ったことで、日光・鬼怒川方面の観光関係者からは歓迎の声が上がる。 日光市と福島県内を運行する野岩(やがん)鉄道も十九日、新藤原−会津高原尾瀬口の全線で運転を再開したが、上三依(かみみより)塩原温泉口−会津高原尾瀬口間は停電が続いているため、本数の少ないディーゼル車のみの運行となっている。 PR情報
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