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「横浜市営地下鉄新羽駅前のガード下にある極小のプレハブ小屋みたいな立ち食い寿司屋が気になります。なぜあんな場所にあんな建物? 個人店のようですが、土地の契約とかどうなってるの?」という投稿がときさんからはまれぽ.com編集部へとどいた。
調査してみたら、横浜市港北区のお寿司屋「下田寿司」の社長が、立ち食い寿司に興味を持ち1年前にオープン。土地は市営地下鉄管理で、交通開発株式会社と契約していることがわかった。 (はまれぽ.com 山崎 島) 横浜市営地下鉄新羽駅の改札を出て徒歩1分こちら新羽ー
新羽駅の改札を出てまっすぐ行くと
そのお寿司屋さんはある
投稿には「プレハブ小屋みたいな」とあったが、近くで見ると小さいながらもしっかりした建物なのが分かる。外観の印象は、なんというか、カジュアルな感じ。小さいお寿司屋さんて何回か街中で見かけたことがあるけど、小さければ小さいほど威厳があって入りにくそうだが、ここはふらっと気軽に立ち寄れそう。
引き戸をガラッと開けると… こんな感じ
店内は筆者の部屋よりも少し広い、およそ10畳ほどのこぢんまりとしたスペースに、カウンターとネタのケース、そして板場となっている。
立ち食いってなんとなく、乱雑としているというか、味わい深いというか、雑多なイメージがあるが「下田寿司」の店内は明るく清潔で、入りやすく気品がある。 この日お話を伺ったのは
店長の山本さん。口数少ない日本の良き職人のお兄さんでした。宜しくお願い「板」します。
「下田寿司」は、横浜市港北区下田町に本店を構える、創業47年の老舗のお寿司屋さん。 すっごい立派な本店!!(下田寿司HPより)
まさかまさか、本店がこんなに本格的なお寿司屋さんだったなんて…でも入った時に感じた品格を考えると、確かに頷けるなあ。
新羽店であるこちらの店舗ができたのは2014(平成26)年6月。テレビや雑誌などで、立ち食い寿司に興味を持った現社長が始められたそう。 「以前この場所は、ご夫婦で経営している焼き鳥とお弁当屋さんでした。調理環境もありましたし、飲食店を引き継いだ方が都合のよいことが多かったので、ここを選んだそうです」と山本さん。土地については、路線バスの運行などもしている、横浜市が株主の横浜交通開発株式会社と契約しているのだそう。 なるほど
老舗のお寿司屋さんが立ち食い寿司の店舗を展開する。江戸時代、寿司は屋台の食べ物だったとテレビかなんかで昔見たけど、逆にこれは原点回帰なのだろうか。
この日板場に立つ山本さんは、元々は建築関係の職人さんをやっていたそうで、3年前から「下田寿司」で板前さんとして働き始めたのだとか。「今も本店とここと掛け持ちしています。本店の従業員もローテーションで新羽店に入ったりしますよ」とのこと。ネタは本店が川崎市宮前区の中央卸売市場北部市場から仕入れ、新羽の店舗に持ってきており老舗の味を気軽に味わうことができる。 しかも
リーズナブル
これは…新羽の寿司消費量に大きく貢献しそう。回転寿司よりも気軽に入って、おいしいお寿司をいただけるなんて、こんなにうらやましいことってない。客層はお勤め帰りの方が多いそう。昼営業(午前11時30分〜午後2時)もやっているが、夜営業(午後5時〜午後11時)の方が混むのだとか。カウンターには5〜6人が並んで食事をすることができ、混雑する際は利用客が斜めになって8人入ったこともあるとか。
それでも入りきらない場合は外でも呑むことができる
ちなみに、1貫だけ食べていく利用客もいるみたいで「“昼にどうしてもサーモンだけ食べたくなって”と言って来られた主婦の方もいました」ですって。
どうしてもサーモンだけ食べたくなっちゃうことってあるよね。うんうん。立ち食い寿司ならではのエピソードですな。 ランチすっごい豪華
おおー
と、お話を伺っている間にも、次々と利用客が来店した。
黙々と握る山本さん
鮮やかな手捌き。8貫を約2分で握る
筆者がいた時に来店した利用客のほとんどの方は、テイクアウトの注文だった。
お仕事終わりの男性利用客にお話を伺うと「週1で来ています。安いし、スーパーで買うよりも断然おいしいので。妻もよく買っています」とのこと。開店してちょうど1年だが、着実に常連客がついているよう。 取材時は一周年キャンペーンで超絶お得だった
主婦と思われる方は、注文してから近くのスーパー「ローヤルよつや」に買い物をしに行かれた。「そういう方も多いですね」と山本さん。
海苔は「つた金」のものを使用
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