民族問題研究所は17日、「金武星(キム・ムソン)・セヌリ党代表の父親、金竜周(キム・ヨンジュ)全南紡織元会長の親日行跡」と題する関連資料を初めて公開した。
民族問題研究所は17日午前、ソウル市東大門区にある同研究所歴史資料館で記者会見を開き「今年の光復節(8月15日)に金武星・セヌリ党代表の父親、金・元会長の評伝『川を渡る山』が出版され、植民地時代の金・元会長の行いをめぐって議論が激しくなっている。こうした議論を払拭(ふっしょく)するため、金・元会長の親日活動や根拠資料を提供する」と発表した。
同研究所が公開した資料は、当時、金・元会長も参加していた「愛国機献納」「徴兵督励」広告などだ。
同研究所によると、金・元会長は、慶尚北道の道会議員や国民総力慶尚北道水産連盟理事、国民総力慶尚北道連盟評議員、朝鮮臨戦報国団発起人および慶尚北道支部常任理事・事業部長などを歴任した。
国民総力朝鮮連盟は、朝鮮の民衆を強力に統制・動員するために組織された、戦時最大の政府系統制機関だ。また朝鮮臨戦報国団は、朝鮮人の戦争協力のため1941年につくられた、戦時体制期最大の民間親日団体だ。
同研究所は、金・元会長が▲戦時体制下、勤労報国のための国民皆労運動督励▲出征皇軍に対する感謝電報の発送提案および徴兵制実施の称賛▲内鮮一体や皇国臣民化のための神社建立▲大邱神社などへの寄付金献納▲軍用機献納運動-などを主導したことを明らかにした。
同研究所は「金・元会長は、朝鮮臨戦報国団慶尚北道支部や国民総力慶尚北道連盟が飛行機の献納運動を大々的に展開した当時、それらの団体で役員として活動しており、日本の朝日新聞に記名広告を掲載して飛行機の献納を扇動した」と発表した。
同研究所が公開した41年7月9日付の朝日新聞4面下段には「決戦は空だ! 送れ飛行機を!」という、金・元会長の記名広告が載っている。
同研究所は「45年の時点で、金・元会長が活動していた慶尚北道迎日郡だけでも100万ウォン相当が募金され、敗戦直前までに慶尚道民は計109機の飛行機を献納した。40年1月の金価格を基準にすると、当時の1万ウォンは現在の1億ウォン(約1035万円)相当の価値を持っていた」と説明した。
同研究所は、金・元会長の親日活動に関する資料収集を終え、親日人名辞典を改訂する予定だ。