朴正熙クーデターに米CIA「共産主義者の潜伏勢力ではない」

CIA、冷戦中の「大統領ブリーフィングペーパー」初公開
合計1万9000ページ分
「朴正煕は共産主義者の潜伏勢力ではない」「朴正煕が金鍾泌をけん制」という内容も

 米国が、5・16クーデター(1961年5月16日、朴正熙〈パク・チョンヒ〉陸軍少将〈当時〉らによる軍事クーデター)を起こした朴正煕少将について「共産主義者ではない」と判断していたことが判明した。

 16日(現地時間)に公開された米国中央情報局(CIA)の「大統領ブリーフィングペーパー」によると、5・16クーデター発生からおよそ2カ月後の1961年7月19日、CIAはサミュエル・バーガー駐韓米国大使(当時)の判断を基に、クーデターの背景や主導者らの傾向、当面の課題などを報告した。「大統領専用」と表示されたこの報告書で、CIAは「蜂起(revolt)の動機は愛国的、民族主義的、反共産主義的なもの」と評価するとともに「蜂起を主導した『革命指導者たち(the revolutionary leaders)』の中には、機会主義者や、共産主義の潜伏勢力(Communist sleepers)がいることもあり得るが、朴正煕はそうしたカテゴリーに属さない」と報告した。16日に公開された文書は合計1万9000ページ分で、冷戦中のジョン・F・ケネディ、リンドン・B・ジョンソン大統領時代のものは初となる。

 具体的な呼称なしに「朴正煕」または「朴」と明示したこの報告書で、バーガー大使は「共産主義者が利益を得られるケースは、この政権が党派間の対立を解決できないまま、経済的問題にぶつかる場合」と分析していた。米国が、クーデター後いくらもたたないうちに事実上「朴正煕政権」を認めていたことを示唆している。

 CIAは、韓国内部の複雑な情勢を大統領にほぼリアルタイムで報告していた。朴正煕少将が、張都暎(チャン・ドヨン)陸軍参謀総長(当時)の支持者を国家再建最高会議から除去し、自らの統制力を強化しようとした(61年7月7日)という内容もあり、妻のおいに当たる金鍾泌(キム・ジョンピル)を当初から徹底的にけん制していたという記述もある。62年3月3日の報告書では「軍事評議会の指導者、朴は、大きくなっていく金の権力を縮小するため、これまで宋(宋堯讃〈ソン・ヨチャン〉。当時の内閣の首班)を支持してきた。もし対決することになれば、不正や醜聞がかなり出てくるだろう」と分析し、63年1月24日の報告書では「金鍾泌は今や政権の政党から追い出され、すぐさまほかの数人と共に海外へ送られるという話を聞いた」と記した。

ワシントン=ユン・ジョンホ特派員
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