外資系企業座談会、韓国労働市場に苦言相次ぐ

■「給料は毎年上がる」と考える労働者

 駐韓米国商工会議所(AMCHAM)のエイミー・ジャクソン代表は「かなりの米国企業が韓国での生産コストが急激に上昇していると漏らしている。特に企業の経営状況や自分の成果・実績を問わず、無条件で月給を毎年上げるべきだと多くの人が考えているなど、韓国には独特なルールがあり、そうしたルールが雇用増加と投資拡大を大きく阻害している」と指摘した。

 米国系の産業機械メーカー、パーカー・コリアの柳時卓(ユ・シタク)元代表は、強引な労組の存在というイメージが海外資本による韓国投資を阻んでいるとみている。

 柳元代表は「パーカーは2008年の世界的な金融危機で全ての事業所で20%程度の構造調整(人員削減)の実施が避けられなくなったが、全国民主労働組合総連盟(民主労総)の指示を受けた事業所の労組が構造調整に激しく反対した。裁判所に整理解雇無効訴訟を起こしたため、本社は韓国法人の撤退を検討した」と振り返った。同社の韓国への新規投資はその後途絶えた。

 インドのビクラム・ドラスワミ駐韓大使は、インドの地方政府による労働市場改革の例を挙げ、「ラジャスタン州では300人以下の労働者を雇用する事業所が政府の許可なしに労働者を解雇できる。同州で雇用が増えるなど効果を収めたことで、他の州政府も争うように労働規制の緩和に乗り出した」と紹介した。

 韓国経済研究院の権泰信(クォン・テシン)院長は「企業が韓国国内に投資しなければ、20%を超える青年の失業問題を解決できないのだが、国内外企業の多くが労使紛争と高賃金で韓国から出て行っている。大局的見地で既得権者が後輩や子の世代を助けようとする姿勢を持つべきだ」と呼びかけた。

辛殷珍(シン・ウンジン)記者
前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連ニュース