「ゼネラル・モーターズ(GM)は現在世界26カ所の工場で自動車を生産しているが、毎年賃金交渉を行うのは韓国工場1カ所だけだ。年に2-3カ月も賃金交渉にかかりっきりではCEO(最高経営責任者)は何ができるのか」(セルジオ・ホシャ韓国GM社長)
韓国経済研究院が17日、ソウルの全経連会館に外資系企業のCEOを招いて開いた特別座談会では、韓国の硬直した労働環境に批判が相次いだ。
■韓国の賃上げペース最速=GM
韓国GMのホシャ社長は「毎年賃上げ交渉妥結に向け、賃上げという代価を払わざるを得ない。韓国GMでは最近5年間で人件費が50%以上上昇した」と話した。韓国GMの生産コストは会社設立当時の2002年に比べ2.39倍上昇した。ホシャ社長は「同じ期間に消費者物価が1.4倍上昇したのと比べ、賃上げ速度が早過ぎる」と指摘した。
続いてホシャ社長は「GMが全世界に設けた多くの工場でこれだけ急激に賃上げが行われた国はない。GM取締役会の経営陣に韓国にはさらに新製品の生産ラインが必要だとは言えなかった」と漏らした。
ホシャ社長は、2002年に現代・起亜自動車の国内生産比率は95%、海外生産(OEM)比率は5%だったのに対し、昨年は海外生産が55%、国内生産が45%と逆転した点を挙げ、韓国自動車業界の海外脱出現象を警告した。「国内生産比率が低下しなければ、どれだけ多くの雇用が創出され、どれだけ多くの失業者が仕事を得られただろうか」
ホシャ社長は「韓国GMの元労組委員長が理事会(取締役会)に加わったので、労使が互いを信頼し協力することが夢だ。韓国GMが理事会に労組側の代表が出席し、譲歩し合い、会社が思い切った投資を行うことができる日が来ることを願っている」と訴えた。