今月16日夜から17日朝にかけ、参議院の特別委員会に所属する与野党の議員たちは徹夜で激しいもみ合いを繰り広げた。与野党の議員数十人が一団となり、押し合いへし合いになった。野党の議員たちは「安全保障関連法案は憲法違反である上、多くの国民が反対しており、審議の進め方も民主的とはいえない」と声を上げた。
安倍晋三首相は議員たちの質問に応じるため14時間以上も待機した。だが野党の議員たちは「採決を強行するための手続きにすぎない」として、質疑自体をボイコットした。17日までに何としても参議院特別委と本会議で可決するというのが安倍首相の方針だったからだ。
参議院の外ではデモ隊が雨の中、夜通しで「安倍辞めろ!」と叫び続けた。民主党の岡田克也代表は「国民1億2000万人の6割が反対している」と主張した。だが17日午後、安保関連法案は参議院特別委で可決された。連立与党の自民党と公明党は同日午後8時10分、参議院本会議を招集し、安保関連法案を上程した。民主党など主要な野党5党が「どこまでも阻止する」として安倍政権を激しく批判したが、参議院で与党は全議席の55%を占めるており、野党は太刀打ちできない状況だ。そこで民主党などは同日夜、安倍内閣に対する不信任案を衆議院に提出することで合意した。だが、衆議院では与党の勢力がさらに強い(全議席の68%)のが現実だ。