韓国ガス公社は16日、日本の三菱商事と共同でインドネシア・スラウェシ島に液化天然ガス(LNG)プラントを建設し、8月から生産を開始したと発表した。韓日による共同生産により、これまで石油メジャーが主導してきたアジアLNG市場の版図が変わるのではないかとの見方も出ている。
新プラントは年200万トンのLNGを生産し、韓国に70万トン、日本に130万トンを供給する。今回のプロジェクトは開発段階から石油メジャーが排除されことが異色だ。LNGプラントはこれまで主に欧州や中東の企業が建設してきた。
ガス業界関係者は「アジアのLNG輸入価格は純粋に需要と供給で価格が決まる米国のLNG価格に比べ約3倍割高で、欧州・中東企業の市場への影響力は絶大だ」と述べた。しかし、新プラントはアジア企業がプラントの建設から生産、供給までを担うため、市場価格よりも安価で供給が可能になるとみられる。日本エネルギー経済研究所の豊田正和理事長は、日本経済新聞の取材に対し、「今回の協力関係構築でLNG価格の構造的問題を解消し、安定的な供給元を確保した」と指摘した。