8月20日、オーストリアのiTunes Music Storeで現地アーティストのラウス・ハスペルさんが発表した「1分間の沈黙」という無音の楽曲が、発売日前にもかわらず予約だけでチャート1位になりました。
近年、ISILに制圧されたパレスチナやシリアなどからEU各国への亡命が絶え間なく続いています。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、昨年は全体でなんと5950万人。シリアとイラクにおける紛争だけで1500万人が家を追われそうです。
こうした難民への対応として、ハンガリーは国境沿いにフェンスを設置。ドイツでは難民への反発から収容施設への放火や襲撃事件が多発し、イタリアでは難民を受け入れこそするものの、定住を支援しないために貧困生活を強いられる人が続出しています。他のEU各国でも難民受け入れには難色を示す国が大半です。
この曲はそんなEUや欧州各国における難民待遇への抗議として、ビジュアルアーティスト(視覚芸術作家)のラウス・ハスペルさんが制作したもの。「Schweigeminute(1分間の沈黙)」という題名のとおり1分間の「無音」で構成されていて、オーストリアやドイツでは、すでに多くのラジオ曲でこの楽曲が放送されているようです。
ハスペルさんは海外メディアの取材に対し、この楽曲で得た収益のすべてをオーストリア・ウィーン南方にあるトライスキルヘン難民センターへ寄付することで、増え続ける難民への支援を行いたいと話しています。
Schweigeminuteは8月22日現在、すでに日本でも発売されており、国内のiTunes Music StoreやAmazon MP3などで購入することができます。価格はiTunes版が250円、Aamazon MP3版は150円。
(大里ミチル)
ねとらぼでは「イスラム国」と表記してきたこともありましたが、国連や政府にならい「ISIL(Islamic State in Iraq and the Levant=イラク・レバントのイスラム国)」としています。
呼称にはこのほか「IS(Islamic State)」「ISIS(Islamic State of Iraq and Syria)」「DAESH(al-Dawla al-Islamiya fi al-Iraq wa al-Sham)」などがあり、各メディアで異なります。
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