北朝鮮、射撃訓練の的に朴大統領

北朝鮮、射撃訓練の的に朴大統領

 最近非武装地帯(DMZ)で地雷を使った挑発行為に及んだ北朝鮮は12日、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領の写真でつくられた標的に向かって実弾射撃を行う様子をテレビで放映し、その背景に関心が集まっている。過去のケースからみて、北朝鮮が韓国の現政権とはこれ以上対話を行わないというシグナルを送ったのではないかとの見方もある。

 北朝鮮の朝鮮中央テレビが放映した「朝鮮人民軍軍人、信川博物館見学・復讐(ふくしゅう)決議集会開く」と題する報道によると、北朝鮮の軍人は「米帝国主義に対する復讐決議集会」を開いた後、朴大統領の写真など5つの標的に向かい、拳銃と機関銃で実弾射撃を行った。

 残る4つの標的は韓国政府関係者や国軍または米軍と推定されるが、はっきりと識別はできなかった。標的の背後には「米帝消滅」という文字が書かれていた。信川博物館は北朝鮮当局が住民の米国に対する憎悪をかき立てるために黄海南道信川郡に設置した反米教養宣伝施設だ。

 北朝鮮はこれまで数回にわたり、朴大統領を露骨に非難したが、写真を標的にして銃を撃つ様子が公表されるのは初めてだ。北朝鮮は李明博(イ・ミョンバク)政権当時、天安爆沈事件、延坪島爆撃挑発などで南北の秘密接触が中断すると、2012年4月から李明博前大統領に対する攻撃を始めた。当時北朝鮮軍の部隊では李元大統領の写真や人形を標的として、射撃や銃剣による訓練を行い、絞首刑、火刑に処したりした。

 高麗大の南成旭(ナム・ソンウク)教授は「非武装地帯の地雷爆発事件で韓国の対北朝鮮世論が悪化している状況で、北朝鮮住民に韓国に対する敵愾(てきがい)心を持たせる狙いがあるとみられる。金正恩氏がカリスマ不足を補い、体制の結束を強化するため、朴大統領に対する非難を強めている」と分析した。

 これに関連し、韓国政府は13日、統一部(省に相当)報道官の声明を通じ、「北朝鮮によるこうした措置は基本的な礼儀も捨て、民族間の憎悪をかき立てる行動であり、決して受け入れられない。即刻中断すべきだ」と主張した。北朝鮮が公式メディアを通じ、朴大統領と韓国大統領府(青瓦台)を非難したのは2013年2月から今年5月までに152回に上る。

キム・ミョンソン記者
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