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【1万人を超える巨大グループも!?】大人が知らない中高生のLINEグループの使い方を調査したら、闇が深かった。|Social Native Life(連載02)

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こんにちは!SNL(Social Native Life)研究班の宇野です。

突然ですが、先日東北地方の女子中学生が1ヶ月近く行方不明になっていた事件をご存知でしょうか?

女の子は自力で警察に行き無事に保護されたということで事件性もなく一安心ですが、この一件を掘り下げて調査してみると、大人が知らない中高生のSNSの使い方が垣間見えてきました。

どうやら一部の中高生の間では、ネット上で知り合った人とLINEグループを通して親しくなって実際に会うということがごく日常的に行われているようなのです。

ここまではなんとなく想像できる話だと思いますが、驚いたのがこのLINEグループの規模。なんと、参加者が3桁を超える「巨大LINEグループ」というのが存在しているというのです。

「巨大LINEグループ」とは?

通常、LINEグループ(通称・グルチャ)というと10人くらい、多くても60〜70人くらいの規模のものが想像されると思います。ところが今回、調べてみてわかったのは、中高生が参加するLINEグループには1万人規模の巨大グループが存在しているということ。

そもそもLINEグループの最大人数は200人が上限なので、どうやって繋がっているのか?物理的に不可能では?と思って調べてみたところ、どうやらグループを複数作ってNo.1、No.2とナンバリングをして分けているようです。

今回はおもにこういった形態のネット上での交流が目的の大規模LINEグループに焦点をあてて調査してみました。

どうやって知り合うの?

1.Twitter

LINEには見知らぬ人と出会う機能がないため、メンバーの募集等は別の場所で行われます。中でもツイッターは、ハッシュタグ検索で簡単に繋がれるのでよく利用されています。

例えば「#(好きなミュージシャン)」に加えて「#グルチャ」「#ぐるちゃ」「#LINEグループ」のいずれかのハッシュタグと一緒に検索すると参加者募集のツイートが見つかります。

2.掲示板

中高生に大人気の友達募集掲示板「フレンドライン」でもグルチャ参加者を募集しています。その中でも、中学生限定の中学生同士でグループチャット・友達募集掲示板」ではなんと62,429件もの書き込みが。 書き込む際にLINEのQRコードをアップロードするのが暗黙のルールとなっているようです。

3.グルチャ友達募集アプリ

「グルチャなう!」のようなグルチャ募集専用アプリが人気です。とくに中高生に人気のソシャゲは、ゲームごとにグルチャ募集アプリがあるほど。

ちなみに、こういったアプリや掲示板で暇なときや寂しいときに仲間を募集して雑談することを「かまちょトーク(かまちょ=かまってちょうだいの略)」といい、中高生の間ではLINE用語のひとつとして定着しているようです。

4.ニコ生主経由

ニコニコ生放送の配信主を中心に形成されているLINEグループです。ちなみに、こういったネットで生放送を配信しているユーザーを「ニコ生主」「生主」と言います。

ニコ生主のLINEグループの特徴は、それが単なる交流にとどまらず、金銭のやりとりが生じているケースがあるということです。たとえばLINEクリエイターズスタンプを販売したり、Tシャツ等のグッズを売ったり、もっと直接的に”援助”を求めるケースもあります。ここにはまた別の闇が広がっていそうなので、別途深く調査したいところです。

グルチャにどんな子が参加しているの?

1.ミュージシャン・アイドルの熱狂的なファン

比較的健全なカテゴリです。その大半は、ももクロや少女時代、ジャニーズなど10代に人気があるアイドルのファンです。クラスメイトとやりとりする”本アカ”ではなく、”趣味垢”を作って積極的に参加している様子が見受けられます。

ライブのオフ会用のグルチャもちらほら見かけました。会場前で集合写真を撮ったり、ライブ後に打ち上げで交流を深めるようです。1人参加の人も、これなら簡単に友達ができるので寂しくないですね。

2.ソシャゲ民(ソーシャルゲームが好きな人たち)

物々交換や情報交換を目的にグループの参加者を集めています。ソシャゲ民の友人はガチャ報告とアップデートの情報を交換しているようです。

またユーザー協力型のソシャゲでは今ゲームできる人に「このクエストいこー」とグルチャで誘ったり、「何日何時にここ攻めるぞ」 「攻められてるやばい助けて」 「あいつ張り強いぞ気をつけろ」というやりとりで盛り上がります。

このカテゴリでは、「普段仲良くLINEしている人たちと遊んでみたい」とオフ会に発展することもよくあるようです。中高生だけでなく大学生や社会人も混じっているのが特徴で、オフ会がきっかけで結婚した人もいるとか…!

3.Twitter民

Twitter民のコミュニティはかなり独特です。特徴的なのはそのネーミングセンス。「○○団」「○○帝国」といった名前をつける傾向があるようです。ここはソシャゲ民のグループとは異なり、大人が入り込めない世界と言っていいかもしれません。

彼らを調べているうちに「匿名クラブ」という会員数18,000(!)の団体にたどり着きました。

会員数18,000人の匿名クラブって一体?

いやー、これはすごいです。大人から見たら理解の範疇を超える世界が広がっています。

無償フォロ爆がもらえるTwitter団体 匿名クラブ

Twitterのインフルエンサーが「ブランドチーム」を作り、各ブランドチームをまとめているのが匿名クラブです。入会はLINEで友達追加、またはTwitterでできます(ただし退会にはお金がかかるようなのでご注意ください!?)。

ちなみに、記事の冒頭でご紹介した女子中学生が行方不明になった件で”ネット上の知人”とされていた帝越コク氏も「帝越グループ」というブランドチームの総裁でした。

平成生まれの私でもわけが分からない世界が広がっています…。

もう少し深く掘り下げてみたいのですが、理解が追いつかなくなってきたので今日はこの辺で。

まとめ

・巨大LINEグループにはライトな層(アイドルファン)とディープな層(一部のTwitter民)がいる
・若者は誰かと常に繋がっていたい欲が強く、LINEの通知が来ないと不安

大雑把にくくると、かつてmixiのコミュニティの掲示板で盛り上がっていた内容がLINEのグループ内で展開されている印象です。ただ昔と今で違うのは、ユーザー同士の距離感が非常に近いこと。

“知らない誰か”と繋がることへの恐怖心がなくなっているように感じました。Twitterからグルチャ、ニコ生からグルチャと段階を踏んで交流を深めることや、同じ中高生同士ということで安心感が生まれるのかもしれません。

これからの夏休みシーズン、親御さんにとってはちょっと心配ですね。

SNL研究班では、引き続きソーシャルネイティブ世代の調査を進めていきたいと思います!

Social Native Life
1991年生まれのソーシャルネイティブ女子です。 ソーシャルネイティブ世代のスマホ・ソーシャルメディアの使い方を探求します☆ 中高生をターゲットに、インタビュー等を通じて、「今どきの若い子ってスマホで何やってるの?」という疑問を明らかにしてゆきます!
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