Updated: Tokyo  2015/07/24 15:00  |  New York  2015/07/24 02:00  |  London  2015/07/24 07:00
 

FT買収額Wポストの5倍、営業利益の35倍-株価評価反映せず

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  (ブルームバーグ):英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)を発行するフィナンシャル・タイムズ・グループ(FTグループ)を日本経済新聞社に売却することで合意した英ピアソン の株主は、2013年の米紙ワシントン・ポストの身売りと比べ、はるかに有利な条件で契約を交わしたようだ。

教育事業を手掛けるピアソンは、FT発行部門を日経に8億4400万ポンド(約1600億円)で売却することで合意。世界的に影響力のある主要紙の経営母体が交代するのは、インターネット通販の米アマゾン・ドット・コムの創業者で資産家のジェフ・ベゾス氏が、ワシントン・ポスト紙を2年前に2億5000万ドル(現在の為替レートで約310億円)で買収して以来となる。

ワシントン・ポストには、米紙ニューヨーク・タイムズ のバリュエーション(株価評価)が見劣りするほどの値段が付いたが、FTグループはそのいずれも上回っている。FTグループとワシントン・ポストとの正確な比較は難しいが、買収条件を並べて見るとFTが全体として群を抜いている。

日経がFTグループの企業価値を2014年の売上高の約2.5倍と評価しているのに対し、ワシントン・ポストは売上高を60%下回る価格でベゾス氏に売却された。FTの買収額は調整後の営業利益の35倍に達するが、ベゾス氏が支払ったのは、EBITDA(利払い・ 税金・減価償却・償却控除前利益)の17倍にすぎない。

ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、ポール・スウィーニー氏は電話インタビューで、「この価格にはバリュエーションの裏付けが全くない。これらの知名度の高い資産に一部の買い手が付けるフランチャイズバリュー(のれん代)を反映しているにすぎない」と指摘した。

原題:FT Valuation Is Leaps and Bounds Above Washington Post: Real M&A(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Tara Lachapelle tlachapelle@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先: Beth Williams bewilliams@bloomberg.net Elizabeth Wollman

更新日時: 2015/07/24 09:17 JST

 
 
 
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