海洋研究開発機構などは青森県八戸沖の海底の下を深さ約2500メートルまで掘削し、微生物群が生息していることを確認した。微生物の生息域としてはこれまでで最も深いという。生命が地球内部で生息できる限界や条件などの解明に役立つとみている。成果は米科学誌サイエンス(電子版)に24日掲載される。
研究チームは地球深部探査船「ちきゅう」で、八戸沖約80キロの水深1180メートルの海底からさらに深さ2466メートルまで掘削した。石炭などを含む層を見つけ、そこに微生物が集まって生息しているのを確認した。
微生物を詳しく調べると、陸上の森林にいる細菌などの仲間が多く、石炭を食べて天然ガスの主成分であるメタンを作っていた。
研究チームは、2000万年以上前に森や湿原だった場所が地下深くに沈み、その後も生態系の一部が保たれたとみている。
これまではニュージーランド沖の海底下約2000メートルで微生物を確認したのが最も深い例という。