ローレル〈米メリーランド州〉=小林哲
2015年7月16日21時17分
米航空宇宙局(NASA)は15日、冥王星に最接近した無人探査機「ニューホライズンズ」が撮影した冥王星の詳細な画像を公表した。窒素とメタンの氷で覆われた表面の一部に、富士山の標高に迫る3千メートル級の氷の山が複数、確認された。冥王星表面の詳しい地形が判明するのは初めて。
画像は、最接近の1時間半前に約7万7千キロ離れた位置から撮影された。14日に公開した冥王星全体の画像の10倍の解像度で、表面にあるハート形の領域の一部を拡大した。
探査チームによると、氷の山は高さ約3400メートルに達し、数十キロにわたり山脈のようなごつごつとした地形が続いている。周囲には隕石(いんせき)が衝突してできるクレーターがなく、山ができてから1億年以内の比較的、新しい地形とみられる。窒素やメタンの氷だけでは強度が弱いため、水の氷が含まれている可能性が高い。氷山ができた仕組みはわかっていないが、内部に地質学的な活動を引き起こす熱源がある可能性が高まっている。
一方、探査チームは15日、冥王星の五つある衛星のうちカロンとヒドラの最新の映像も公表した。カロンには、長さ約1千キロ、深さ6~10キロに達する渓谷のような地形が確認された。探査機が冥王星に最接近した際のさらに詳細な画像は、17日にも公表する予定という。(ローレル〈米メリーランド州〉=小林哲)
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