しかし韓国では肺炎患者の全数調査や発熱状況の監視など、非常に厳格な措置を行っていることから、最後の患者が発生してから4週間にわたり患者が確認されなかった時点が適当との見方も出ている。官民合同対応チームのトップを務める大韓感染内科学会の金宇柱(キム・ウジュ)理事長(高麗大学医学部教授)は「最後の患者が確認・隔離された今月4日以降、潜伏期間の2倍に相当する28日間にわたり患者が発生しない場合、つまり8月2日ごろにMERS流行の終息宣言が可能になるのではないか」との見方を示した。
翰林大学医学部感染内科のオム・ジュンシク教授は「エボラ出血熱の場合は致死率が極端に高く、患者の体液に接触した場合の感染力も非常に強いため、最後の患者からウイルスが出なくなった時期を基準としていたようだ」「しかしMERSウイルスは感染力がそれほど高いとはいえないため、最後の患者が発生した時点を基準としても問題はないだろう」などとコメントした。
■MERSの影響を乗り越え景気は回復基調に
一方、MERSの影響で大きな打撃を受けた景気は回復の動きが鮮明になりつつある。MERS患者が最初に発生した京畿道平沢市の場合、市内の大型スーパー5カ所の先週の売上高を見ると、MERSの感染が拡大していた6月の第2週には一時49億9000万ウォン(約5億4000万円)にまで落ち込んだが、7月の第1週には72億8000万ウォン(約7億9000万円)にまで回復した。これはMERS患者が発生する前の5月第2週と同じ水準だ。
さらに今月11日には中国重慶からの団体観光客67人がアシアナ航空を利用して入国した。アシアナ航空によると、これはMERSが発生してから韓国を訪れた通常の団体観光客のうち最も規模が大きいという。この団体客は4泊5日の日程でソウルの景福宮や明洞など観光する予定だ。アシアナ航空はMERSによって打撃を受けた観光業界を活性化するため、今月15-18日の日程で中国国内の旅行社の社長団200人を韓国に招待する。社長団はソウル市の朴元淳(パク・ウォンスン)市長と共に明洞ウオーキングイベントなどに参加する予定だ。