中国の造船所による慢性的な納期遅れや品質問題も一因だ。最近は海外の船会社が中国の造船所に発注した商業船舶の建造契約を解除したり、引き渡しを受けることを拒否したりする例が続出している。タイの船会社は先月、中国の舜天造船(江蘇省)が建造した6万4000トン級のバルク船について、燃費が劣ることを理由に契約解除を通告した。米国の船会社も先月末、納期遅延を理由に中国の広新海事重工(広東省)に発注した特殊船舶3隻の契約を解除した。
ダンピング受注も原因に挙げられる。中国の造船企業は現金で受け取る前受金欲しさに無理なダンピング受注に走り、それがブーメランとなって自分の首を締めている。最近労働者の人件費が急騰したことも悪材料だ。
■日本造船業の復活、韓国も善戦
中国造船業界の不振は、韓国と日本には利益だ。日本は2010年に船舶受注量が中国の4分の1にまで落ち込んだが、今年は中国を抜き、世界2位に浮上する可能性が高い。日本が受注量で中国を上回るのは2006年以来9年ぶりとなる。
韓国は今年、世界の商船発注量が60%以上減少する状況でも、1-5月の累計受注量が前年同期比で15%増えた。中国は受注量が80%近く減少、日本も50%受注を減らしており、韓国は善戦していると言える。
韓国は最近発注が多いタンカーや超大型コンテナ船など多彩な船を建造可能で、バルク船発注減少の影響を受けにくい。ハナ大投証券のパク・ムヒョン研究員は「韓国が今年受注量トップの座を奪還したのに続き、来年には受注残高でもトップに返り咲く可能性が高い」と予想した。