コロラド州で自らの娘2人を誘拐した犯人が、Spotifyアカウントのアクセス記録から居所を特定され逮捕されるという事件がありました。
容疑者のブリタニー・ナンは、前の夫とそのさらに前の夫の間にもうけた2人の娘の親権争いで敗色濃厚となった昨年12月、現在の夫とともに2人の娘を連れて行方をくらませていました。
事件の発覚後、捜査当局はすぐにナン容疑者らの行方を追ったものの、その足取りをつかむことができず、捜査は難航していました。
事態がこのまま膠着状態を迎えるかと思われたころ、ナン容疑者の素性を洗い直したドリュー・ウェバー保安官事務所付捜査官は、彼女が Spotify でよく音楽を聴いていたことを知ります。
そこでウェバー捜査官は Spotify に対し捜査令状を取得。彼女が使っていたアカウントを確認したところ、まだそのアカウントが利用されており、メキシコからアクセスしていることを突き止めました。
捜査当局は彼女の Netflix アカウントも調べ、そのIP アドレスからバハ・カリフォルニア半島にある町、サンルーカスで使われていることを確認、潜伏先となっている住所の特定にも成功しました。
捜査当局は現地へ赴き、FBI やメキシコ出入国管理局とともに数ヶ月間の入念な監視を行ったうえで容疑を確定しました。そして7月8日、FBI が家に戻った容疑者2人を逮捕。保護された娘たち2人はコロラド州に戻り、それぞれの父のもとへと帰ることができました。
Spotify や Netflix にかぎらず、インターネット上のサービスを利用する以上は何らかの痕跡が残ります。日本でも違法なファイル交換ソフト利用者が逮捕されるといったニュースなどがありますが、もはや驚くこともありません。
Apple Music が始まり、AWA や LINE MUSIC などともに定額制音楽ストリーミングサービスが定着しようとしています。また Hulu などの動画サービスも国内のテレビ局と共同でオリジナルドラマを制作し始めるなど、ネット上の娯楽はますます我々の日常生活に密着してきています。
今後は日本国内でも、ネットのアクセス情報から手がかりを掴むといった事例が増えてくるのかもしれません。