アップル、業界利益の9割超を1社で稼ぐ
JBpress 7月14日(火)6時10分配信
米ウォールストリート・ジャーナルの報道によると、スマートフォンを販売することでメーカー各社が得る営業利益は、米アップルのそれが業界全体の実に92%を占めており、断トツなのだという。
■ 大幅上昇した営業利益シェア
これはカナダの投資銀行、カナコード・ジェニュイティが公表した推計だ。
スマートフォンメーカー上位8社の今年1〜3月期における営業利益を調査したもので、これによるとアップルの営業利益シェアは1年前の同じ時期の65%から大きく上昇したという。
そしてこれに次いだのが韓国サムスン電子の15%。
同行のマネージングディレクターであるマイケル・ウォークリー氏よると、この2社の利益シェアが100%を上回っているのは、市場では多くのメーカーが収支とんとん、あるいは採算割れという状況にあるからだという。
たとえばカナダのブラックベリーの利益シェアは0%、中国レノボ・グループ(聯想集団)の利益シェアはマイナス1%だと同行は報告している。
■ iPhoneは188億ドル、Androidは24億ドル
このウォールストリート・ジャーナルの報道では具体的な金額は示されていないが、これに先立ち米国の調査会社ストラテジー・アナリティクスが昨年10〜12月期におけるOS別営業利益についてリポートしていた。
それによると、アップルがiPhoneを販売したことで得た同四半期の営業利益は188億ドルで、1年前の114億ドルから大幅に増えた。一方でAndroid端末メーカーの同四半期における営業利益の合計額はわずか24億ドルで、1年前から半減した。
また同四半期のOS別営業利益シェアは、iOS(iPhone)が88.7%で、1年前から18.2ポイント上昇。これに対しAndroidは11.3%で、同18.2ポイント低下。このあと米マイクロソフトやブラックベリーなどのOSが続いたが、いずれもシェアはほぼ0%だった。
こうした、iOSとAndroidの営業利益シェアは、出荷台数をベースにしたほかの調査とは対照的だ。たとえば米IDCがまとめた昨年10〜12月期の出荷台数シェアは、Androidが76.6%、iOSが19.7%だった。
■ iPhoneの強みは高い販売価格
ウォールストリート・ジャーナルも今回の報道で、iPhoneの世界スマートフォン市場における販売台数シェアが20%に満たないことを考えると、その92%という利益シェアは驚くべきものだと伝えている。
同紙によると、iPhoneの強みはその販売価格にあるという。
昨年におけるiPhoneの世界平均販売価格は624ドルだった。これに対しAndroid端末の平均販売価格は185ドル。
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