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家族がへその緒切断「推奨しません」…産婦人科医会が見解

読売新聞(ヨミドクター) 7月14日(火)9時37分配信

 出産後に、夫ら家族が記念にさい帯(へその緒)を切る行為が広まっていることを受け、日本産婦人科医会は、「医師と助産師以外が行うことは違法となりかねず、推奨しない」とする見解をまとめた。近く会員の産婦人科医に周知する。

 さい帯は、胎盤から胎児に栄養や酸素を運ぶための血管が通っており、出産後に止血した上で特殊なはさみで切断する。近年、妊婦が産院側に出産時の希望を伝える「バースプラン」が普及し、夫の立ち会い出産も増加。「お産に参加したい」「父子の絆を深めたい」などの理由から、へその緒を切ることを望んだり、産院側がサービスとして行ったりするケースが増えていた。

 見解では、さい帯切断は、「医療行為」にあたり、医師か助産師が行うものとした。一方で、諸外国で家族によるさい帯切断が一般的であることなどにも配慮し、「(家族が切る場合は)医師の責任で、家族の十分な理解を得て行われるべきだ」とした。

 同会の木下勝之会長は、「医師がしっかりみていれば大きな危険はないが、感染や、誤った場所を切断して出血を招く恐れはゼロではない。出産は安全が第一であることを妊婦と家族も忘れないでほしい」と話している。

最終更新:7月14日(火)15時19分

読売新聞(ヨミドクター)

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