【TDL帰りバス事故】バス運転手は11日連勤中 「夜勤前に休憩8時間 運行規制の範囲内」
東名阪自動車道下り線で14日発生したバス事故。
今回の観光バスは、「ウィラーエクスプレス関東」(東京都)が、「ロウズ観光」(岡山県倉敷市)に運行を委託していた。ロウズ観光によると、運転手は11日間連続勤務中だったが、この勤務体制は、群馬県で平成24年に起きた関越自動車道高速ツアーバス事故を契機に国土交通省が厳格化した新たな規制の範囲内。担当者は「夜勤の前に8時間以上の休憩を取っており、法的に問題はない」と説明している。
バスは運転手2人体制でもう1人の運転手が乗っており、約2時間ごとに交代することになっていた。
高速バス事故をめぐっては、乗客7人が死亡した関越道事故を受けて、国交省が、運転手の健康管理や運行管理の体制を厳格化する法令改正を進めた。眠気を感じながら運転を続けた運転手の責任が問われた一方で、1人の運転手に過大な負担をかけて格安運行していた会社側の責任、それを放置させた法令の欠陥も問題となったためだ。
国交省は、夜行バスの運転手1人当たりの走行距離上限を400キロかつ9時間まで−などと厳格化。この結果、東京−大阪間(約500キロ)など多くの路線で運転手2人体制となった。
さらに、社会的影響の大きな事業用自動車事故の構造的問題を調べる「事業用自動車事故調査委員会」が26年に発足した。
国交省は14日、今回の事故を「特別重要調査対象事故」に指定し、事業用自動車事故調査委員会に調査を要請した。
運行管理が厳格化されても、居眠りなどによる事故は絶えない。
26年3月には、富山県の北陸自動車道で夜行バスがトラックに追突し、バス運転手と乗客の2人が死亡。運転手は、今回の三重県での事故と同様、11日連続勤務中だった。同年4月にも愛知県の名神高速で観光バス運転手が居眠りして逆走し、トラックなどと衝突。11人が負傷した。