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人月商売からの脱却――システム開発は2週間、ファストSIの時代

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2015/07/14 06:00

 システムインテグレーターを一般的にはSIまたはSIerなどと表記をすることが多いが、未だに下請け、孫請けの開発体制が当たり前になっている人たちは少なくない。また、客先常駐というスタイルも、まだまだ大企業には多く見受けられる。また、受託開発の見積書は、すべて人月計算されており、最後に理解が難しい管理費が乗せられ、あるいは根拠なき「出精値引き」が差し引かれているものもある。今回は、クラウドサービスが台頭している現在において、そんなシステム開発体制から方向転換を図り、成功している企業を紹介する。

クラウドの活用で、従来のシステム開発体制から方針転換を図る

 新宿区にあるM-SOLUTIONS株式会社(以下、エム・ソリューションズ)は、ソフトバンク・テクノロジー(SBT)の100%子会社のシステム開発会社だ。2000年のITバブル時に創業し、紆余曲折を経て現在はSBTと同じ新宿イーストサイドスクエアにオフィスを構えている。

M-SOLUTIONS株式会社 取締役 植草学氏

M-SOLUTIONS株式会社 取締役 植草学氏

 2000年当初は客先常駐もあり、また一般的な受託開発をやってきていたが、近年のクラウドブームに合わせて、2013年から同社もSmart at(スマート・アット)というクラウドサービスを提供し始めた。

 その前後から、タブレットを導入する法人が増え、自然とシステム導入のスピードも速まっていった。仮にiPad100台を購入すれば、遅くとも10日程度で届く。クラウドサービスを申し込めば、2週間から3週間程度で使い始めることが可能になる。

M-SOLUTIONS株式会社 SE 飯川瑞希氏

M-SOLUTIONS株式会社 SE 飯川瑞希氏

 しかし、従来型のシステム開発会社の場合、スピード感が違う。要件定義から何度も打ち合わせを重ね、モノが出来上がってくるのは、小規模なシステムだったとしても数カ月後になる。「お客様のスピード感をシステム開発でも実現する必要性を感じた」(M-SOLUTIONS株式会社 取締役 植草学氏)

 同社では、サイボウズのクラウドサービスである「kintone(キントーン)」に目を付けた。kintoneはブラウザから設定するだけで、プログラミングなしに使うことが出来るビジネスアプリケーションだ。しかし、何もかも実現できるわけではなく、カスタマイズを希望するユーザー企業も少なくない。

 多くの技術力の高いエンジニアを抱えているM-SOLUTIONSは、現在kintoneのカスタマイズをして納品することで、顧客企業の満足度を高めている。


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著者プロフィール

  • 大木豊成(オオキトヨシゲ)

    イシン株式会社 代表取締役 シンガポール大学(現NUS)卒業
    米国PMI認定Project Management Professional取得 ソフトバンク株式会社で、Yahoo!BB事業立ち上げ、コンタクトセンター立ち上げ、おとくラインサービス立ち上げなど、事業・会社とサービスの立ち上げを担当。現在は「人と会社を元気にする」をモットーに、企業の人材育成と業務再構築のコンサルティングを行っている。また、企業向けスマートフォン導入コンサルティングも行っている。 翔泳社より『iPad on Business あなたのワークスタイルを変える実践活用ガイド』好評発売中

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