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2015年07月14日 08時56分 UPDATE

誰よりもゲームを愛した「天才」……創業家も惚れた岩田聡氏の軌跡 (1/2)

11日に死去した任天堂の岩田社長は「天才プログラマー」としても活躍。「本当にゲームが好きなんですよ」と常々語っていた。

[産経新聞]
産経新聞
画像 任天堂の岩田聡社長=今年5月7日、大阪市中央区

 花札、かるたの製造企業だった任天堂を世界的なゲーム機メーカーに育てた創業家の故・山内溥前社長が自身の後継者に選んだ男。若い頃からの逸話も多かった。高校時代には、IT企業の米ヒューレット・パッカード日本法人に独学のプログラムで完成させたゲームを送りつけた。あまりのできばえに同社が驚がくし、パソコンに必要な機器をプレゼントした。ソフトを開発していたハル研究所に入社後も、あるゲームで2年はかかるとみられた開発を半分の1年で完成させた。「あの人は頭がよすぎる」。多くの知人が岩田氏を「天才」と称した。

 社長に就いたのは、宿敵ソニーの「プレイステーション」にゲーム機市場でのシェアを奪われていた苦境期だった。「ファミコン」の愛称で知られる「ファミリーコンピュータ」に次ぐ、ヒット商品の投入が最大の懸案だった。

 そこで岩田氏のとった経営戦略は、現状のゲーム市場でメーカー同士が争うのではなく、新しいゲームファンを増やすことだった。

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