ヨドバシカメラが、インターネット通販サイト「ヨドバシ・ドット・コム」で驚異的な成長を遂げている。家電はもちろん、ゴルフクラブなどのスポーツ用品、有機野菜やコメなどの食料品までも購入できる、家電量販店のサイトとは思えない幅広い品ぞろえが受けたためだ。
店頭での対面販売で苦戦するヤマダ電機などの競合もネット強化で対抗するが、先行したヨドバシの背中は遙かかなただ。総合通販サイトの王者、米アマゾン・ドット・コムすら意識させるヨドバシの快進撃の勢いは、とどまりそうにない。
「取り扱っている品目は約370万点に達する」――ヨドバシカメラでEC事業を統括する藤沢和則副社長はそう豪語する。家電量販の他社サイトでも生活用品や雑貨などを一部で取り扱っているが、扱いは数十万点〜百数十万点程度にとどまる。ヨドバシほど多岐にわたる商品群を取り扱っているのは異例中の異例だ。
強みは、それまで品ぞろえが薄かった商品を充実させられる対応力だ。「生鮮食品とファッションの取り扱いが少なかった」(藤沢副社長)というが、6月からは、焙煎したコーヒー豆の注文も受け付けるなど生鮮食品も拡充し、顧客の要望に応えてきた。こうしたきめ細やかな対応が実り「ヨドバシ・ドット・コム」の売上高は2015年度1000億円近くに到達する見通しだ。
投資も増やす。急増している受注に応えるため川崎市の自社所有の倉庫を増築し、2年後に延べ床面積約25万平方メートルの巨大物流拠点として生まれ変わらせる。倉庫規模はアマゾンが日本国内に持つ最大の物流拠点「小田原フィルメントセンター」の約20万平方メートルを5万平方メートル上回り、ヨドバシのネット通販事業にかける意気込みを裏付ける。
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