韓日国交50年:文化学園、徳恵翁主の衣装を韓国に寄贈

韓日国交50年:文化学園、徳恵翁主の衣装を韓国に寄贈

 「日韓国交正常化から50周年を迎える今年、民間交流の次元で少しでも両国の友好が深まるようにという気持ちから寄贈することにした。この衣服が日本と韓国の友好につながる象徴になるならば、それ以上大きな役割はないと思う」

 24日、東京都内の駐日韓国文化院で、大韓帝国初代皇帝(朝鮮王朝第26代国王)高宗(コジョン)の娘、徳恵翁主(トクヘオンジュ)=1912-89=が着用していた宮廷衣装7点を寄贈する了解覚書(MOU)調印式が行われた。文書に署名した後、韓国文化財庁の羅善華(ナ・ソンファ)長官と握手を交わした、学校法人文化学園の大沼淳理事長(87)の顔には笑みがあふれていた。「特別な遺品であるため、常に最適な条件の下で保管すべく気を遣ってきた。良好な状態で韓国に寄贈することができてとてもうれしい」と大沼氏は語った。徳恵翁主が着用していた緑色の唐衣(朝鮮王朝時代の女性の礼服)や、赤くすそが長いチマ(スカート)など、今回寄贈された遺品は、この日午後に韓国へと運ばれ、ソウルの国立古宮博物館に保管された。

 徳恵翁主は90年前の1925年、日本に強制的に留学させられた。19歳だった31年には旧対馬藩主の子孫、宗武志伯爵と政略結婚させられ、その後精神を病み、55年に離婚した。宗氏は離婚後、徳恵翁主が日本で着用していた宮廷衣装などを、異母兄に当たる英親王に渡した。英親王夫妻はこれを十分な形で保管する方法を模索し、翌56年、服飾関連の専門教育を行っていた文化女子短大(現・文化学園大学)に寄贈した。宮廷衣装は絹など天然の素材で作られているため、温度や湿度に敏感な上、素手で触ることもできないほど保管条件が厳しかった。79年に文化学園服飾博物館が開館した後、衣装は同館で保管された。同館は衣装を中性紙で包み、桐の保管箱に入れた上、温度20度、湿度52%の状態を24時間保っている保管室で管理した。寄贈の前日、7点の衣装を直接目にした羅長官は「博物館が所蔵品を無条件で外部に寄贈するというのは極めて異例な上、保管状態が新品のように完璧だったことに驚いた。今回の寄贈は韓日両国の文化交流史に、特別かつ美しい記録として残るだろう」と語った。

 大沼氏による今回の寄贈は2012年、ソウルの国立古宮博物館が徳恵翁主の生誕100年を記念し、特別遺品展示会を開いたことがきっかけになった。展示のため所蔵品の貸与を承諾する過程で、徳恵翁主の母国である韓国に遺品が残っていないという事実に驚いたという。大沼氏と52年にわたって親交がある、チョジョン繊維キルト博物館のキム・スンヒ官庁が説得し、韓日国交正常化から50周年を迎える今年、寄贈が実現することになった。

 文化学園が運営する文化学園大学の学長でもある大沼氏は「私が初めて訪問した国も韓国であり、またうちの大学に留学している外国人も韓国人が最も多いため、韓国との特別な縁があると思う。寄贈する機会ができたことに満足しており、今回の出来事が、日本と韓国の親善に貢献する足掛かりになるならば、これ以上の喜びはない」と話した。

 母国に帰ってきた徳恵翁主の宮廷衣装は、8月25日から9月6日まで国立古宮博物館で特別展として一般に公開される。

東京=ヤン・ジヘ特派員
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