MERS:韓銀総裁「消費低迷に緩和の兆し」

 韓国銀行(中央銀行)の李柱烈(イ・ジュヨル)総裁は24日、「中東呼吸器症候群(MERS)の感染拡大に伴う消費低迷がやや緩和したのではないかという期待感を抱いている」と述べた。流通大手の週間売上高などを見ると、依然として消費低迷が見られるが、減収幅が縮小の兆しを見せているためだ。

 李総裁は同日、経済専門家を招いた6月の経済動向懇談会で、「MERSの感染が本格化してから3週間が経過したが、先週末に調べた消費関連速報指標を見ると、前年同期では依然マイナスだが、減少幅がMERS事態の1-2週間目に比べると縮小している」と説明した。韓国政府・韓銀によると、ロッテマート、ホームプラスの売上高がMERS感染拡大前の5月第1、2週との比較で、6月第1週は7.2%、第2週は20.3%減少したが、第3週の減少幅は1.7%にとどまった。

 ただ、李総裁は「国内外の不確実要素としては、MERS事態、ギリシャの債務問題、米連邦準備理事会(FRB)の利上げによる国際金融市場の変動という3つがあるが、最大のリスクはMERSによる影響だ」と述べた。

 一方、大韓商工会議所は同日、最近MERS感染拡大などで不確実性が増し、韓国経済が「滑りやすい傾斜局面」にあると表現した。その上で、「MERS不況を防ぎ、景気回復を図るため、政府が十分な規模で追加補正予算を編成し、思い切った規制緩和を進めるべきだ」と主張した。

李陳錫(イ・ジンソク)記者
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