45兆円に膨らんだ信用取引-中国株の危うさ、相場急落で露呈
2015/06/23 13:11 JST
(ブルームバーグ):中国株 が先週、週間ベースで2008年以来の大幅安となったことで、特に信用取引の投資家が打撃を受けている。こうした投資家が好んで手掛ける銘柄が指標の株価指数よりも速いペースで下げたためで、追い証に伴う処分売りが生じるリスクが高まっている。
上海市場で流通株に対する信用買いの割合が高い上位30銘柄の株価は、上海総合指数 が今年の最高値を付けた今月12日から平均で17%下落した。これは同指数のこの間の下げ(13%)より大きい。上海証券取引所の信用買い残は19日、約1カ月ぶりに減少し、この1年で5倍余り拡大した信用取引が縮小しつつある兆しが示された。
上海・深圳両証取の信用取引 は少なくとも3640億ドル(約45兆円)に膨らんでおり、こうした取引で損失が生じれば追い証を支払う必要のある投資家が処分売りを迫られ、相場の下げが大きくなる恐れがある。上海総合株価指数は12日までの1年間で152%上昇と、世界の株式相場を上回る上昇率を示したが、先週は主要株価指数の中で最大の下落率となった。
岡三証券グループの忍足真理ストラテジスト(香港在勤)は、19日の相場急落は投資家が既に信用取引で損切りに動いていることを示すと指摘。この状況は依然として続いており、さらなる売り圧力への警戒が必要だと述べた。
原題:China Margin Trades Buckle as Selloff Puts $364 Billion at Risk(抜粋)
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更新日時: 2015/06/23 13:11 JST