摩文仁の住民(左)に香典を手渡し、頭を下げる元学徒兵の安里祥徳さん=21日、糸満市の摩文仁児童体育施設
1945年の沖縄戦当時、県立第一中学校2年生で通信隊員として戦場に動員された安里祥徳さん(85)=北中城村=が21日、糸満市摩文仁の住民らを訪ね、70年前に配属されていた部隊が避難住民を壕から追い出したことを初めて謝罪した。元学徒兵の安里さんは「住民から壕を奪ったことが戦後、ずっと心に引っ掛かっていた。いつかおわびしたかった」と心情を語った。
安里さんが配属されていた電信第36連隊第5中隊は45年5月27日、米軍の南進に伴い現在の那覇市繁多川から摩文仁へ撤退した。安里さんは先発隊よりも2日遅れて到着した摩文仁で、学友から「先に隠れていた避難民を軍命令で追い出した」と聞かされた。戦後、その罪悪感と謝罪したい思いを抱えていた。
安里さんは沖縄バヤリースの元会長で、同社は2014年12月に解散した。転機を迎えた安里さんは戦後70年のことし、摩文仁の住民を訪問する決意を固めた。「壕を奪われた住民の中には亡くなった人がいたかもしれない」と区長の伊集盛純さん(54)らに頭を下げた。
伊集さんと共に安里さんの謝罪を受けた又吉全盛さん(77)は沖縄戦当時7歳。伊集さんと又吉さんは「戦争がもたらした悲劇だ。安里さんも戦後70年も負い目を感じ、苦しんできただろう。肩の荷を下ろしてほしい」と答えた。
安里さんは戦没者への香典も手渡した。伊集さんらは香典を区誌編さんの予算に充てる考えを示し「区民や安里さんの戦争体験を収録して後世に伝えたい。二度と悲劇を繰り返させない」と誓った。(島袋貞治)
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