「東洋人は尊敬してる。だってレイシストだから」―日本に関心を持ってたらしい教会銃撃犯の綴った優越思想
米チャールストン教会銃撃事件を起こしたディラン・ルーフは、「最後のローデシア人」というサイトを作り、マニフェスト(声明文)をアップしていました。その文には彼が「ネットde真実」を発見したこと、人種主義の強い東アジア人を尊敬し、日本のある映画が気に入っていたことなどが書かれています。
更新日: 2015年06月23日
nofrillsさん
米チャールストン教会銃撃事件を起こしたディラン・ルーフは、「最後のローデシア人」というサイトを作り、マニフェスト(声明文)をアップしていました。その文には彼が「ネットde真実」を発見したこと、人種主義の強い東アジア人を尊敬し、日本のある映画が気に入っていたことなどが書かれています。
更新日: 2015年06月23日
nofrillsさん
チャールストンの教会で9人を撃ち殺した21歳の男がネット上に残していた大量の写真と「僕の考え」
6月17日の米チャールストン教会銃撃事件の容疑者(既に起訴されているので被告)、ディラン・ルーフのウェブサイトが、ブロガーの調査で見つかりました。そこで彼は米国...
Dylann Roof kept website with a racist rant, photos from a plantation & Confederate history museum, and Confed flags nytimes.com/2015/06/21/us/…
GettyImages Photo by Photodisc / Photodisc
大手報道機関ではなく、一般のブロガー(と、それとは別にオンライン・メディアのMashable)がリバースサーチで見つけたディラン・ルーフのウェブサイトには、数十点におよぶ彼の自撮り写真(携帯・スマフォのカメラではなくデジカメでタイマー撮影していると思われる)と、彼の考えを綴った文章がアップされていた。
そのサイトは、既に閲覧不能になっているが、「最後のローデシア人」という名称で、彼の「白人優越」の思想をはっきりと示している。
「ローデシア」は現在のジンバブエ。
19世紀に英国人セシル・ローズが白人の移民を送り込み、元々住んでいた人々から奪った土地で、「ローデシア」という名前は彼にちなんでいる。
ローデシアについてはこの画像(ローデシアの国旗)の出典のページがとてもわかりやすく詳しいのでぜひお読みいただきたい。
ディラン・ルーフが、Facebookにアップしていた写真。右胸につけているのは、アパルトヘイト政権時代の南アフリカの旗(オレンジ、白、青にシンボル3つ)と、ローデシアの旗である。
「最後のローデシア人」のサイトには、犯行当日(6月17日)にこんな写真もアップされていたという。
この青いコンデジはKodak Easyshare C1530(Exifより)。
https://twitter.com/specker/status/612312881036591104
https://twitter.com/Gus_802/status/612769818664538112
Amazon.comで見ると現行品で、145ドル。エントリー機。首に下げてる大きいカメラは何だろう。
From the 60 photo Zip archive, metadata of 6 of the files read between 14:45 & 16:53 hrs on 17 June 2015. EXIF data indicates taken earlier
「圧縮してアップされていた60点の写真のうち6点のメタデータは、2015年6月17日の14:45から16:53とある。ただしEXIFを見ると撮影日はもっと前である」
This is pretty good evidence he (or, less likely, an accomplice) had access to the website up until the day.
「これは、犯行当日まで彼(もしくは、可能性は低いが、共犯者)が当該のサイトにアクセスできていたというよい証拠である」
Right-wingers who went to South Africa to shill for apartheid: @GroverNorquist @JeffFlake @jackabramoff alternet.org/civil-libertie…
極右人種主義者がローデシアやアパルトヘイト政権時代の南アフリカを賞賛していることについては、ザイド・ジラニさんのこの記事参照。
同じサイトから見つかった別の写真(複数)では、彼は南部連合旗(confederate flag)を持っている。
これは南北戦争のときの南軍の側(アメリカ連合国)の旗で、思い切りはしょっていうと、南北戦争での「負け」を認めないことが自分たちの誇りでありアイデンティティである、という南部の白人たちが掲げる旗だ。(北アイルランドの「旗騒動」のユニオン・フラッグによく似ている。)
(19世紀のアメリカでは)南部と北部との経済・社会・政治的な相違が拡大していた。農業中心の南部では、黒人奴隷労働に依存したプランテーションが盛んで特に綿花をヨーロッパに輸出していた。また農園所有者が実質的に南部を支配していた。イギリスを中心とした自由貿易圏に属することが南部の利益だったため、南部は自由貿易を望んでいた。
北部では急速な工業化が行われており、新たな流動的労働力を必要とし奴隷制を必要としなかった。また、商工業振興のため、保護関税や交通網の整備などが求められ、特に南部に比べて保護貿易への期待が高かった。
南部では、南部の上げた利益が税金などとして連邦に吸い上げられ北部の重工業化などに使われることへの反発があった。一方で、近代化し都市化する北部が人口の面でも政治・経済・文化の面でも南部を圧倒し、やがてアメリカが北部中心の国となることへの恐れがあった。
この説明で、「南部」における「自由」の絶対視や、「連邦政府嫌い」については、一通りわかるのでは(21世紀になってこういうのを金科玉条として掲げたのが「ティー・パーティ」)。
ディラン・ルーフは「北部の旗」(星条旗)を燃やしている写真もアップしていた。
北部を地盤とし、奴隷制拡大に反対していた共和党から出馬した大統領候補、エイブラハム・リンカーンが1860年末に合衆国大統領選挙に当選したことから、南部の危機感は頂点に達した。奴隷州の内、まずサウスカロライナ州が連邦から脱退し、ミシシッピ州、フロリダ州、アラバマ州、ジョージア州、ルイジアナ州が続いて脱退した。1861年2月4日、これらの州により「アメリカ連合国(南部連合)」が結成された。翌日ジェファソン・デーヴィスがアメリカ連合国大統領に選出された。
サウス・カロライナ州は、「南部」が「北部」から分離しようとした急先鋒だった。このあと「連合国(南部連合)」にはテキサス州も加わり、これらの7州が連合国として連邦から独立を宣言した。その旗が、あの旗である(というのは実は大雑把な説明なのだが、詳細はここでは説明する必要はないと思うので略)。
Opinion: Does the Confederate flag signify heritage or hate? aje.io/pcx9 pic.twitter.com/FwWfsaYvZW
(北アイルランドのニュースと区別つかないですよ、私の中で)
チャールストンの教会でディラン・ルーフに撃ち殺された9人を偲んで掲げられた半旗も、サウスカロライナ州の州都(コロンビア: ルーフの住んでいた街)では、コンフェデレート・フラッグである。
教会銃撃事件後、「この旗を下ろせ」という運動が起きている。
しかしながら、サウスカロライナの現在の州知事は、共和党の人でなおかつエスニック・マイノリティ(インド系)で女性という人だが、「旗」については関与したくない(現状維持ということにしたい)という態度を示している。
→23日朝(日本時間)、知事方針転換。旗を下ろすよう求めています。
http://t.co/SmJYV2Uj77
一方、共和党の内部からも、ミット・ロムニーのように、「この旗は下ろすべき」という意見も出ている。
http://www.bbc.com/news/world-us-canada-33211192
Alleged Charleston shooter Dylann Roof's manifesto: "I have no choice" cbsn.ws/1foe1nf pic.twitter.com/W6PmpcqiKz
これも「最後のローデシア人」のサイトにアップされていた写真のひとつ。夜中にお庭でお花に囲まれて、「南部の旗」を持ち、拳銃を持ち、(夜なのに)サングラスをかけて、こちらをにらみつけている。フラッシュを焚いて撮影された写真は、この事件がなければほとんど意味不明だったかも。
This @MaxBlumenthal storify on Roof's manifesto and white nationalism has tons of great history and context: storify.com/MaxBlumenthal/…
マックス・ブルーメンタールさんによる解説まとめ。勉強になります。
Dylann Roof is the product of a system that has bred racist hatred for centuries gu.com/p/4a253/stw pic.twitter.com/OMsbBblEl2
The massacre in Charleston was not just an isolated hate crime carried out by a mentally ill racist in South Carolina. It is simultaneously representative and starkly indicative of the rampant racism structurally embedded in America, the responsibility for which, it might be argued, bears no exemption for any American, especially white Americans, north or south, republican or democrat.
by Joanne Braxton and Michael Sainato
As Richard Wright wrote in his 1945 non-fiction memoir Black Boy, America “insists upon seeing the world in terms of good and bad, the holy and the evil, the high and the low, the white and the black; our America is frightened of fact, of history, of processes, of necessity. It hugs the easy way of damning those whom it cannot understand, of excluding those who look different, and it salves its conscience with a self-draped cloak of righteousness.”
Racism kills.
GOP’s fear of black America: The racist history which explains Dylann Roof & stains the so-called “party of Lincoln” slnm.us/1jjOCcP
GOP = Grand Old Party. 共和党。「リンカーンの党」だったはずの共和党が、なぜ人種主義に傾いてきたのか。これを19世紀の南北戦争、奴隷解放から、その後の南北の駆け引き、自由人となった黒人の政治的発言力(「キャスティングヴォートを握った」状態)、そして社会進出しつつあったミドルクラスの女性たちの間での「仕事の口と引き換えに体を要求される」という脅威論……
こんな記事、ただで読ませてもらってすみません。。。情報量は軽く新書1章分ありますよ。筆者はヘザー・コックス・リチャードソン教授(ボストン・カレッジ、歴史学)。
His attack on nine African Americans in a church was a political attack designed to keep the government in the hands of white men. His bullets were a salvo in the fundamental struggle that we have fought bitterly since 1865: Who owns America?
... he reportedly said: “I have to do it. You rape our women and you’re taking over our country. And you have to go.” Roof’s words seem bizarre—not just because black Americans make up less than 15 percent of the population but also because he murdered six women—but they made more sense when they first entered the American vernacular.
His statement hails straight from the Reconstruction Era after the Civil War, when white Southern men had to come to grips with the fact that they would no longer control the country.
Men like Roof are staring at that same reality today.
When Roof said: “I have to do it. You rape our women and you’re taking over our country. And you have to go,” and then made himself judge and jury, he was echoing both a fear and a crazed solution that grew out of the Civil War, when white Southern men had to face the reality that they were going to have to share control the government.
How ‘benevolent sexism’ drove Dylann Roof’s racist massacre wpo.st/flpM0
「お前たちはこちら側の女たちを強姦し、おれたちの国を乗っ取っている」という発言について、社会学者の解説。植民地主義の歴史的な用語法。
Roof is that colonizer. White women are his land. His land is a she. His relationship to this country and the white women in it is the same: both belong to white men like him.
In his mind, apparently, black people are the interlopers, the rapists, the plunderers of his natural resources, female and otherwise. It’s a twisted but not an unusual way to think about the world; not then and not now.
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