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世界から向けられる「白い目」

「先進国としての存在感」が発揮できないと悩んでいたところに「MERS」というわけですね。

木村:その通りです。韓国は海外から「この国、大丈夫?」という目で見られることになりました。ロシアなどに加え、MERSの本家本元である中東諸国も、自国民に韓国への渡航自粛勧告を出しました。韓国の人々にとって、極めて不本意な状況です。

鈴置:はっきり言えば非常識な韓国人と、いい加減な対処で感染症を輸出し始めた韓国政府に、世界から白い目が向けられたのです。

 香港へは、感染の疑いのある韓国人が虚偽の説明をして入国しました。その後この人の感染が確認されたこともあって、香港紙はこの韓国人に法的処罰を下すべきだと主張しました。

 自宅隔離対象に指定された韓国人の、それも医師夫妻がフィリピンに入国しました。また、感染者が登場した旅客機を韓国の航空会社は消毒せずに名古屋など海外に飛ばしていました。

 韓国メディアは国際的な批判を浴びると「外国が悪い」「我々はかわいそうな被害者だ」と言い張るのが普通です。でも今回はさすがに「政府と個人のいい加減さによって、自ら国威を落とした」と書くしかありませんでした。

小国の自信のなさ

木村:韓国人の「ナショナル・プライド」は大きく傷つきました。「セウォル号」でも「韓国は大丈夫か」との声が上がりました。でもそれは主に韓国内部からでした。しかし、今度は同じ声が海外からも上がってくる。厳しい状況です。

 韓国人は基本的には自分たちの国を「小国」と考えています。米国や中国のような「大国」と自らの存在を分けて考える傾向があります。

 その背後には、長らく困難な状況に置かれてきたことに由来する、国際社会での自らの立ち位置への自信の欠如があります。そんな韓国人に「MERS」騒動が与える影響は決して小さくないでしょう。内政、外交の変化を注視したいと思います。

(次回に続く)

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