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AWAやLINE MUSICに欠けているモノ
ようやくというべきか。日本でも聴き放題の音楽配信サービスが本格普及する兆しが出てきた。1曲ずつ購入する従来型と違い、定額もしくは無料で数百万曲をストリーミング(逐次再生)型でいつでも楽しめるのが特徴で、米国や欧州では数年前から消費者の間で人気が急上昇。日本でも2013年ごろに第1次ブームが到来し、一部の熱心なファンはすでに使っている。ここに来て使い勝手の良い“本命”とされる新サービスが続々登場したことで、第2次ブームといっていいほど話題を呼んでいるのだ。
iTunes Store国内開始から10年の節目
実は今年は、米アップルが日本でダウンロード型の音楽配信「iTunes Store」を開始してからちょうど10年目。当のアップルは6月末に世界100カ国以上で聞き放題の「Apple Music」を始める計画で、日本も含まれるとの見方が強い。節目の2015年、アップルも仕掛け人の一人となり音楽の聴き方を劇的に変える潮流が日本に押し寄せている事実は、なんとも運命的ではないだろうか。
さて、2000年ごろから音楽配信の最新事情を追いかけてきた筆者としては、第2次ブームが本物かどうかが気になる。国際レコード産業連盟(IFPI)の調査では2014年、聴き放題サービスの利用者は前年比46.4%増の4100万人となり、音楽配信市場全体の23%を占める規模にまで成長している。
そこで早速登場したばかりの代表格というべき国産の二つのサービスを徹底的に使い倒してみることで、課題がないか探ってみることにした。試したのはサイバーエージェントとエイベックス・グループ・ホールディングスの折半出資会社が始めた「AWA(アワ)」と、LINEとレコード会社の共同出資会社の「LINE MUSIC」である(写真1)。いずれも開始してすぐに100万ダウンロードを達成しており、第一次ブームのときよりも幅広い音楽ファンが心をくすぐられ飛びついているようである。
使ってみてまず驚いたのが、洗練された画面デザインと操作性の良さだ。聴き放題サービスで世界大手の英スポティファイがスマートフォン向けアプリの先進性では定評があるが、AWAもLINE MUSICはデザインと操作性では全くひけをとっていない。
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