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【ビジネス解読】
韓国KTX、時速300キロの“すし詰め”状態がもたらす「危険」「不快」…乗客の不満に「新幹線にも立ち乗りある」の“仰天”開き直り
韓国が誇る高速鉄道「KTX」に、また新たな問題が浮上した。ソウルと光州を約1時間半で結ぶ湖南高速本線が今年4月に開通したのに伴い、利用者が急増。運行本数の不足で、1日平均1000人を超える「立ち乗り客」が発生する事態となり、需要予測の甘さや不十分なダイヤ編成に対する批判の声が高まるなど社会問題となっている。運行する韓国鉄道公社は「日本でも立ち席はある」などと反論しているが、彼我の差はあまりに大きいのが実情だ。
デッキにあふれる乗客
乗車口前のデッキから車両をつなぐ通路にまで立ち乗り客があふれ、乗り降りや車両の移動もままならない-。日本の新幹線でも、年末年始やお盆の帰省ラッシュ時には見られる光景だが、KTX湖南高速本線では恒常的にこんな状態が続いている。
光州大のチェ・ドンホ教授(都市工学)は、光州市で開かれたシンポジウムで、「韓国鉄道公社は需要予測を誤った。増便により、乗客の不快感を解消しなければならない」と対策の必要性を指摘した。
韓国鉄道公社がまとめたデータによると、湖南高速本線の今年5月の立席利用者(龍山~光州松汀駅間)が4万2176人に上った。1日平均1361人、同区間の全乗降客の約5%が席に座れない状況だという。