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shi3zの長文日記 RSSフィード

2015-06-11

クラウド向きのものとそうでもないもの

 井口尊仁の新プロジェクト「ベイビー」

 いまのところ、正直なにをやるつもりなのか全く解らないが、なにかまたやらかしてしまうかもしれないのでドキドキしながら見守ることにしよう。

【エヌ教授の事件簿】ARの次はアーティフィシャル・サピエンスだ!脅威の新プロジェクト「ベイビー」とは!?:電脳ヒッチハイクガイド:電脳空間カウボーイズZZ(電脳空間カウボーイズ) - ニコニコチャンネル:生活

http://ch.nicovideo.jp/akiba-cyberspacecowboys/blomaga/ar809406

 ところで「ベイビー」は「クラウドベイビー」なのだそうだ。

 クラウド上にある人工人格。


 しかしそれって。Siriなのでは・・・

 いや・・・まあいいか。



 Yet another Siriとしてのクラウドベイビーを考えているのだと考えることにしよう。


 しかし世の中にはクラウドに向いてるものと向いてないものがあるなと思った。

 先日、Waifu2xを試そうと思って手元のMacに諸々インストールするのに挫折し、そもそもMacBookAirではCUDAが使えないので仕方なくAmazon Web Servicesのインスタンスを借りてみた。


 インスタンスは安い。

 安いんだけど、限界も低い。


 CUDAコア1533って、一昔前のスペックなのでできることがとても限定されてしまう。

 すぐ近くに秋葉原があるのに、アキバにいけばCUDAコア3000オーバーのTITAN XやGeForce980Tiが山と積んであるのに、何が悲しくて時間貸しでGPUサーバーを借りなければならないのだ。


 そして意外なことに、かなり安くてもセットアップ中にも課金されるというのはけっこうイライラする。


 「ああ、インストールに時間がかかって今、金を損した」


 と思ってしまうのだ。

 貧乏性か。


 基本無料ゲームのように、あとから課金されるくらいなら最初に30万でも50万でも払って、手元にある機械でいろいろ試したい。


 パーツが悪ければアキバにいってパーツ買ってきて交換して試す。

 ハードディスクの方がいいのか、SSDの方がいいのか。


 DIGITSのニューラルネットは学習中に全てのエポックのスナップショットを保存しているのでけっこう容量を食う。だとすると4TくらいのHDDがいいのか。


 それともスピードを優先して500GB程度のSSDがいいのか。

 メインメモリもおおいに越したことはないけど、それが16GBでいいのか32GBでも足りないのか、というのはなかなか試行錯誤が要る。


 幸い、Waifu2xはAWSのg2サーバでも動いたけど画像処理の本命であるGoogLeNetのようなNetwork In NetworkはVRAMがたくさんないとうまく動かない。そのぶん高性能なわけだけど。


http://gyazo.com/8ba26d26013e9983be4287a73bbf45a4.png

 するとTITAN Xがもっと必要なのか、980Tiでいいからもっと数を揃えたほうがいいのか、そういうトレードオフも見えてくる。


 まあこういうのはやっぱり明らかにクラウド向きではなくて、クラウドゲーミングなんていうけれど、それはあくまでも遊ぶ側の話であって、作る側の話でいえば、手元に開発機があるべきだ。複数台のマシンでパーツを交換しながら、目的に応じてパーツ構成を選んでいく


 あと、熱ね。


 とにかくTITAN Xが本気出すと80℃を超える熱風が出る。

 頭寒足熱、じゃないけど、TITAN Xのある島は学習が始まると猛烈に熱くなる。


 もちろんこれは本格的なものはクラウドサーバーに置いたほうが熱なんかと戦わなくて済むわけだけど、足元で熱を感じることで「なるほど凄い計算をしてるんだ」ということが体感的に実感できる。この差は意外とでかい。


 そのときの自分に必要なのはCPUパワーなのか、CUDAコア数なのか、VRAMなのか、メインのRAMなのか、SSDなのかHDDなのか、だとするとどれくらいのサイズか、ということをひとつひとつ紐解いていくにはやっぱりマシンは傍に置いておきたい。なんかフェティシズムっぽいけど


 ディープラーニングをオフィスで試すにはかなり偏った構成のマシンが必要なので、構成をもうちょっと追求していきたい