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明治から続く伊東屋を改革、次の100年に向けてITで新しい文具店
伊東屋 執行役員企画開発本部本部長 松井 幹雄氏
「お店にボールペンや万年筆を何種類ぐらい揃えておくのが最適だろうか。どれだけあれば品揃えとして十分で、お客様に選ぶ楽しみを感じてもらえるか。それを実績データから導き出せないか」。
2013年2月に伊東屋にCIO(最高情報責任者)として入社する直前に、伊藤明社長からこんな質問をされた。
ウルシステムズでITプロジェクトのコンサルティングを手掛けていた私が伊東屋に転職したきっかけは、不思議な縁だった。伊東屋は1904年(明治37年)創業の老舗文具専門店。東京・銀座本店を含め、都市部を中心に21店舗があり、知名度は高い。だが、私は伊東屋のことをほとんど知らなかった。文具好きというわけでもない。
知人の紹介で伊藤社長に5回ほど面会した。「こんなお店を作りたいのだが、どうしたらいいのだろうか」という相談を受けた。「難しいことを聞くなあ」と内心思いながら、その仕事に興味を持ち、入社した。
業務マニュアルがない
入社した時点で既に、POS(販売時点情報管理)システムで、約10万アイテムの膨大な商品の単品管理や在庫管理を実現できる仕組みはあった。だが、店員の仕事を支援する仕組みが不十分で、このシステムを生かしきれていなかった。
伊東屋には「業務マニュアル」に当たるものがなかった。店舗ごと、商品部門ごと、フロアごとに業務のやり方が少しずつ違っており、業務が属人化し、非効率なところがあった。このままでシステムの機能だけを増やしても効果は出にくい。連載新着記事一覧へ >>
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