先週の本コラムで、南沙諸島(スプラトリー諸島)における中国の埋立などを写真入りで書いた(「安倍首相はポツダム宣言を読んでいた!? 理解不能だったのは党首討論での集団的自衛権めぐる共産党の主張だ」 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/43454 )。
この地域の歴史を振り返れば、国際的な覇権争いがいかに熾烈なのか、他国からの侵入を防ぐためには集団的自衛権は、最小コストで効果的であるのが明らかにわかる。
「南シナ海は中国のもの」
国会では安保法制が議論されているが、あまりにレベルの低い議論である。しかも、畳の上の水練そのものだ。
ただ、海外では日本の国会よりまともな議論が行われている。5月29~31日、シンガポールで開催された「アジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)」である。これは、イギリスの民間シンクタンクである国際戦略研究所が主催しているもので、2002年から毎年シンガポールのシャングリラ・ホテルで開催され、アジア太平洋地域の国防大臣などが多数参加する国際会議だ。
日本は、第5回会議から毎年防衛大臣クラスが参加していたが、昨年は安倍首相が基調講演を行い、参加各国に好評だった。
今回、アメリカ、日本、インドネシア、インド、マレーシア、カンボジア、イギリス、シンガポール、東ティモール、パプア・ニューギニア、スイス、ニュージーランド、ドイツ、オーストラリアの14ヵ国で国防大臣クラスが参加した。韓国の国防大臣の出席がないのはやや意外であった。なお、中国からは、国防大臣ではなく、中国人民解放軍の幹部クラスが出席している。
日本からは、中谷防衛大臣が参加したが、「Gen Nakatani, Minister of Defense, Japan」という英文表記は、「Gen」が「General」(元帥、最高指揮官)を連想させる。他国では、元帥が国防大臣の国もあるので、違和感はない。
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