FIFA幹部逮捕:自浄能力に疑問符 金権体質にメス
毎日新聞 2015年05月27日 21時54分(最終更新 05月28日 08時21分)
ワールドカップ(W杯)招致などを巡り、数々の疑惑が持たれてきた国際サッカー連盟(FIFA)。これまでも不正による理事の活動停止など内部処分はあったが、会長選の行われる総会が開幕する前日の27日に複数の幹部の逮捕劇に発展したことは司法当局から自浄能力に疑問符が突きつけられた形だ。
FIFAはこの事態を受けて同日、「問題根絶の助けになると受け止めている。被害者として協力する」と逮捕者個人の問題とも受け取れる発表をした。一方、米司法省は声明で組織的な事象ととらえていることを明らかにした上で「国際的なサッカー組織には新しいスタートが必要」とFIFAの体質改革の必要性を指摘している。
総会直前に2人の副会長を含む幹部が逮捕されたことで、28日からの総会が予定通りに行えるかも不透明だ。総会では会長選のほか、各大陸連盟で選出された理事の承認もあるが、2002年から11年までFIFA理事を務めた小倉純二・日本協会名誉会長は「こんなことはFIFAの歴史で初めて。FIFAは岐路に立たされており、情報を精査して早急に対応を決めなければならない」と話した。
今後、カタールの招致疑惑に発展する可能性も否定できず、FIFAの金権体質に外部のメスが入ろうとしている。【鈴木英世】