ガキどもにゲームを作らせて儲けるMakeGamesWithUs–ファウンダたちもほとんどガキ

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MakeGamesWithUsはiOSゲームの新進企業だが、ちょっと変わっている。高校や大学の学生たちのゲーム作りを支援するのだ。同社は子どもたちの作品を手に取り、それにプロフェッショナルなグラフィクスと美術を加え、そして完成品をApp Storeに出す。コードの所有者は子どもたち、会社はグラフィクスを所有し、売上を分有する。そうやって作ったゲームが、 Elemental Furyをはじめすでにいくつかある。

協同ファウンダのAshutosh DesaiはiPhoneゲームHelicopterの作者で、彼によると、これまでのコードリテラシ運動には、ある程度プログラムを書けることと、本格的な作品を作ることを結ぶ「橋」が欠けていた。“ゲームを作る潜在的な能力のある子どもたちはとてもたくさんいるが、でも彼らは実際に作ることに関して助けを必要としている”、とDesaiは説明する。

橋の役を担うMakeGamesWithUsは、チュートリアルやツールや、デベロッパのためのフォーラムを提供している。ここでゲームを作ろうとする子どもたちは、オブジェクト指向プログラミングの経験が多少あることが条件だ(具体的にはJava)。Javaを選んだ理由は、APのコンピュータ科学課程が使っている言語であり、大学の初等コンピュータ科学課程でもJavaがいちばん多く使われているからだ。

チュートリアルはプログラマにObjective-Cの使い方を教える。OSXやiOSのゲームを作るためのプログラミング言語だ。Macが必要。レッスンは、Appleの開発環境Xcodeとゲーム開発用フレームワークKobold2Dをダウンロードすることから始まる。次に、ConwayのGame of Life(コンウェイのライフゲーム)の作り方を教わり、最終的にはAngry Birdsのクローンを作る。そのほかのチュートリアルや秘訣集もある。たとえばGitを使うバージョン管理など。

“Objective-Cを使うのは、子どもたちに制約を感じさせたくないからだ。モバイルの上では、HTML 5にはまだ制約が感じられる。HTML 5のパフォーマンスはネイティブのOpenGLにはかなわない”。Desaiによると、今後は言語も対応プラットホームも多様化していきたいが、当面はObjective-CとiOSだけに絞る。

また同社には非同期マルチプレーヤーゲームのためのフレームワークがあるので、バックエンド開発の知識がなくてもWords With Friendsのようなゲームを作れる。そのほか、アクセス分析やクラッシュ報告などのツールもあり、そのほかのツールやフレームワークも目下制作中だ。

教育訓練とツールとコミュニティだけでなくMakeGamesWithUsは、ゲームをパッケージングしパブリッシングしていくチーム開発の過程も経験させたい、と考えている。MakeGamesWithUsはプロフェッショナルな美術とグラフィクスと音楽をゲームに提供し、App Storeにゲームをパブリッシュする過程を担当する。それと引き換えに同社は、アーチストたちのギャラ相当額が充足するまで利益を一人占めし、その後はデベロッパ70%、同社30%の分有となる。

高校生と大学生とは言っているが、本当は誰でも同社のツールを使ってゲームを提出できる。Desaiともう一人の協同ファウンダJeremy Rossmannが高校生にこだわるのは、二人がよく知っている市場だからだ。それぞれ今、19歳と20歳である。

Desai自身も高校でiPhoneゲームの制作を開始し、Helicopterでは35000ドル稼いだ。彼はUCLAに進学、幼なじみのRossmannはMITに入った。進学してからも両人はゲーム開発を続け、ついに1学期または1年休学して二人共同でゲームを作ろう、ということになった。しかし、その後考えが変わった。若いデベロッパたちのためのゲーム制作〜出版プラットホームはどうだろう? 彼らはそのアイデアをY Combinatorに売り込み、YCが受け入れたので大学をドロップアウトしてMakeGamesWithUs専従となった。両人はY Combinatorの2012年冬クラスの卒業生だ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

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