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「先端技術からサービスを下支えするビジネスへ」。伊藤忠テクノソリューションズの里見秀俊イノベーションス推進室長は、旧Sun MicrosystemsやCisco Systems、Oracleなど米IT企業が開発した先端ハードウエアやソフトウエアを日本企業に販売するビジネスから、それらを生かした顧客企業が創り出すサービスを支援するビジネスへの転換を模索している。
その一環から2014年11月に設置したのが、イノベーション推進室だ。狙いは、少子高齢化が進む日本の2020年以降をにらんだ新しいビジネスモデルの創出にある。
サーバなどを調達し、ITインフラを自前で構築することからクラウドへの移行が進めば、「物販のマーケットはシュリンクする」(里見室長)のは明らか。CTCのイメージでもある米ITベンチャーの先端技術や製品を探し出し、日本企業に採用を働きかけるビジネスの特質性は薄れていくだろう。
もちろん、物販ビジネスがなくなるわけではない。そこだけに依存したビジネスによる成長機会は小さくなるということ。加えて、「クラウドで何ができるのか」に応えられないIT企業は取り残される。里見室長は、そんな危機感を抱いており、「製品を探し出すことから、サービスを創る目利き力がこれから求められる」と考えている。
そのためには、発想を変える必要がある。例えば、顧客企業と一緒になってサービスビジネスを創り出し、その実現を支援する製品やサービスを提供する。こうしたイノベーションをおこす企業や人を支援する上で、「イノベーションを起こそうとする人が何をしたいのかを引き出す」(里見室長)ことが重要になる。
とは言っても、今日の仕事をこなさなければ明日の飯が食えなくなる。「発想の転換といっても容易なことではないので、まずは今の顧客が何をしたいのか聞き出す」(里見室長)。
例えば、IT部門に5年後にどんな役割を担っているのかと尋ねる。IT部門の価値をどう高めるのかといった議論もする。現場の人脈を生かし、課題を見つけ出す中から、例えばクラウドへの移行を決める企業がCTCのクラウドサービスではなく、「安価なのでAWSに」となると、クラウドへの取り組みが保身的になるかもしれない。今のビジネスを守ろうとするからだ。
だが、クラウド市場を見渡せば、ビッグデータの解析などさまざまなビジネスが創り出されている。問題は、どこにフォーカスするかだ。
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