1995年にこの世を去ったラテンアメリカンミュージックの歌姫 セレナ の家族が、2018年にセレナのホログラム映像を駆使したコンサートツアーをすると発表しました。

計画には新曲の制作や他のアーティストとのコラボレーションも含まれており、セレナの誕生日にあたる4月16日からクラウドファンディングサービス Indiegogo でホログラム制作のための出資を募集します。
セレナは12歳でプロ歌手としてデビューし、1995年にはグラミー賞の Best Mexican-American Album を受賞した人気歌手でした。しかしその年、資金を着服し解雇されたファンクラブ会長に撃たれ、23歳の若さでこの世を去っています。死後もセレナの人気は衰えず、1997年にはセレナからの影響を公言するジェニファー・ロペスの主演で伝記映画が製作されるなど、現在ではラテンアメリカンミュージックのアイコン的存在となっています。

 
3月20日、家族は20年前に亡くなったセレナをホログラムで復活させるコンサートツアーを開催するため、技術者らとともに準備中であると発表しました。しかも新曲や他のアーティストとのコラボレーションを含み、2018年の実現を目指すとしています。

アーティストの死後、未発表曲やアウトテイクなどを再編集し、新曲としてリリースするのは珍しいことではありません。またホログラム化についてもすでに 2Pac やマイケル・ジャクソンの例があり、いまさら驚くことでもありません。

ただ、ライブ1本分のホログラム映像を用意するのはなかなか大変な作業となりそうです。米ビルボードによれば、家族は技術面を担当するネバダ州の企業 Acrovirt にセレナの画像や映像などを大量に送っており、それらがホログラムの素材になるとしています。

Acrovirt と家族はホログラム映像をよりリアルなものとするため、カリフォルニア大学サンディエゴ校と共同で技術開発を計画しています。そして、4月16日よりクラウドファンディングサービス Indiegogo で50万ドルを目標とした出資募集キャンペーンを行うと発表しました。

また、サンディエゴ・ラテンアメリカ映画祭がこのプロジェクトの公式メディアパートナーとして関わることも合わせて発表されました。映画祭のディレクター、フィル・ロレンゾは「音楽的遺産と最新技術の融合を目指すこのプロジェクトのパートナーとなれることに興奮している」とコメントしています。

Indiegogo キャンペーンの開始日となる4月16日はセレナの誕生日。50万ドルの資金が集まったとして、そこから3年もの期間を擁して製作されるホログラム映像がどのようなものになるのか、そしてホログラム映像を流すコンサートは"ライブ"と言うのかどうか、ファンでなくとも気になるところです。
 
下はマイケル・ジャクソンの復活コンサート映像。いわゆる広義の「ホログラム」ではありますが、それでも「4分間で数百万ドル」かかったとされています。
 
没後20年の伝説的歌姫がホログラムで復活ツアー、2018年の実現を目指し出資募集中

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