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南シナ海の「軍事化懸念」米国防長官、中国非難

読売新聞 4月8日(水)6時2分配信

 【ワシントン=今井隆】米国のアシュトン・カーター国防長官は、訪日を機に読売新聞の書面インタビューに応じた。

 カーター氏は、南シナ海で中国が進める岩礁の埋め立てについて、「軍事化の可能性を懸念している」と述べ、強く非難した。日韓関係については、両国が過去の緊張や今日の政治状況を乗り越え、米国を加えた3か国による未来志向の連携で地域の安定を確保する必要性も訴えた。カーター氏は7日来日し、8日の日米防衛相会談に臨む。

 カーター氏は中国の埋め立てを、「東南アジア諸国連合(ASEAN)に対して行った約束と矛盾する。こうした活動は緊張を深刻に高め、外交解決の可能性を減らす」と批判した。米政府は中国が南シナ海に防空識別圏(ADIZ)を一方的に設定することを警戒しており、埋め立て拡大を強くけん制した形だ。

 中国が挑発行為を続ける沖縄県の尖閣諸島については、オバマ米大統領が昨年4月の訪日時に強調した「日米安全保障条約第5条の適用範囲内」との発言を支持し、「我々は同盟の責務をしっかり果たす」と説明した。

 日米韓の連携強化では、「3か国は将来に目を向けねばならない」と指摘した上で、「米国はこの関係における歴史的な敏感さは十分理解するが、協力の潜在的利益は、過去の緊張や今日の政治よりも重要であると信じている」と言い切った。日韓両国の関係改善を促すものだ。

最終更新:4月8日(水)6時2分

読売新聞

 

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